グレタ・ガーウィック監督作品「ストーリー・オブ・マイライフ-わたしの若草物語-」(AmazonPrime)を観ました。私はオルコットの「若草物語」については、題名と4姉妹の物語ということしか知らず、内容には全く無知である。しかし、この時系列が入り乱れる物語をたいへん楽しめたことを記したい。時系列の乱舞は、映画に混乱を招くことはなく、ストーリーはすっと入ってくる。作家を夢見て故郷のマサチューセッツからニューヨークに出てきている次女のジョーが主人公。金持ちとの結婚が女性の幸せという時代に、隣家の金持ちのローリーの求婚を拒否して、自立した人生を切り開こうとするが、妹ベスの死を経て、寂しさにローリーを求めるという、やっぱり女は自立は無理なのと思わせての、すてきなどんでん返しのエンディングに実にさわやかにさせられる。登場人物のキャラクター-が丁寧に描かれ、悪者は誰も出てこないところがこのさわやかなフィクションを支えている。そんな中でも、初めに述べた女性の幸せの古い(?)とらえ方をもつマーチ叔母さん役のメリル・ストリープの、人生の酸いも甘いも知り尽くした深みのある名演が光る。人生いろいろの4姉妹の生き方を見ながら、女性はどんな夢を見るのかしら。男の目から見ると、お金大事と思ってしまう。う、夢ないね。
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