奇跡のチェロ・アンサンブルの演奏に驚愕そして感動

Classic
スポンサーリンク

奇跡のチェロ・アンサンブル(NHK-BSクラシック倶楽部)を聴きました。

samon
samon

年に1度集まってコンサートを開催する、奇跡のチェロ・アンサンブル。日本の若手チェリスト6人のアンサンブルです。彼らの演奏はまさに「奇跡」のようにものすごいものでした。

メンバーは次の通り。

辻本玲(N響主席)
伊藤悠貴(2010:ブラームス国際コンクール・チェロ部門(オーストリア)優勝および特別賞)
小林幸太郎(桐朋学園大学音楽学部弦楽科チェロ科首席卒業、編曲家)
伊東裕(ARDミュンヘン国際音楽コンクールピアノ三重奏部門第1位)
岡本侑也(2017年エリザベート王妃国際音楽コンクール第2位)
上野通明(2021年 ジュネーブ国際音楽コンクールチェロ部門優勝)[

「賛歌」(ダヴィドフ/W・トーマス・ミフネ編)が始めに流れてきました。カルル・ダビィドフはロシア帝国の偉大なるチェリストです。彼が後援者から献呈されたストラディヴァリウスはジャクリーヌ・デュ・プレの手に渡り、今はヨーヨー・マが所持しています。

ゆったりしたテンポの重厚な音楽は、チェロアンサンブルの大切なレパートリーであり、6人の奏者はそれぞれのパートを十分に鳴らしきっています。

ポッパーの「ハンガリー狂詩曲 作品68」は、1本のチェロのための有名な曲です。これを、メンバーの小林幸太郎が編曲しています。6人にそれぞれ出番が割り当てられ、チェロのあらゆるテクニックが駆け巡るこの曲を、6人が一体となって演奏していきます。

続いては、没後100年で取り上げられることが多くなっているサン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ 作品28」です。これは、バイオリンとオーケストラのための協奏曲のような曲です。これも小林幸太郎が見事に編曲しています。

N響の辻本玲はインタビューの中で「(チェロで演奏するのは)バイオリンの1000倍は難しい」と言っていました。それを楽々と演奏する彼らには驚きです。ポッパーもサン・サーンスもそのテクニックに驚き、酔わされます。

リムスキーコルサコフの「シェエラザード」から「若い王子と王女」は、美しくかわいらしいオーケストラ曲ですが、小林のアレンジで6本のチェロでその世界が見事に展開されます。本来木管が奏する速い上行下降形の音階をそれぞれが完璧に演奏するので、またまた驚かされます。

最後は、生誕100年で話題のアストル・ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」から「冬」(小林幸太郎 編曲)です。

元々は1965年に劇作家アルベルト・ロドリゲス・ムニョスの舞台のために書かれた「ブエノスアイレスの夏」の単曲でしたが、その後残りの3つの季節が連作され、「ブエノスアイレスの四季」となりました。

「冬」は4曲の中でも、とてもメランコリックな曲です。まさにチェロという弦の太い楽器の音色にマッチしている曲だと思います。6人は、それまでのテクニカルな面とはまた異なる、憂鬱な情感を豊かにつづって行きます。

samon
samon

名曲を名アレンジと6人のチェリストによる名演奏で聴くことができ、1曲終わるたびに「すげー」を連発してしまいました。私もへたくそながらチェロの3重奏や4重奏を演奏するので、チェロアンサンブルの果てしない可能性に感動と憧れをいだきました。みなさん機会あれば、「奇跡のチェロ・アンサンブル」をぜひお聴きください。クラシック倶楽部はよく再放送されますよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました