吉田大八監督作品「桐島、部活やめるってよ」

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吉田大八監督作品「桐島、部活やめるってよ」を観ました。今をときめく若手スターがたくさん出ている。神木隆之介、東出昌大、橋本愛、山本美月、松岡茉優。金曜日から火曜日までのある高校の生徒たちの群像劇?おもしろいのは、例えば金曜日がいくつもの視座から描かれること。同じ教室の中の出来事であっても、視座が変わるとそこで中心となる人物が変わり、いくつもの心情が描き出されることとなる。これは大変映画的立体感を高めていく編集である。最後の火曜日には、たぶん神木隆之介の妄想視座も加わって、え?となる部分もあるが、それは観客には伝わりやすい。スクールカーストなるものが少し前にドラマにもなったりして、話題となったが、ある集団においては、上になる者と下になる者が出てくるのは常である。この映画は、何でも出来て彼女もいる東出が、もっさりした映画オタクの神木や野球部キャプテンらのひたむきさに完敗して、泣きそうになる点がカタルシスとなっている。さて、前述した神木の妄想シーン(映画のクライマックスだ)のバックには、吹奏楽部の演奏がはさまれている。実際の高校生の演奏で、素晴らしくうまいというわけで無いところは、監督のねらいだろうか。それが、ある種のリアリティやなんというか素朴さを醸していて、やられた。曲は吹奏楽部はよくやる、ワーグナーの「エルザの大聖堂への行進」である。その吹奏楽部長役で東出を好きだが、黙ってみているだけの女子高生役を、子役から活躍している大後寿々花が演じている。どこにでもいる感じをうまく出していてこれまたキャスティングの妙。

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