amazonプライムにて吹き替えで鑑賞。サメよりゆっくりのワニとの戦いはいかに。
結論
細部までくっきりとした映像、本物にしか見えない見事なCGワニ、テーマを浮きかがられながらコンパクトなワンシチュエーション映画として最後まで楽しませてくれる佳編
概要・あらすじ
2019年公開のアメリカ映画『クロール -凶暴領域-』は、サバイバルスリラー映画です。監督はアレクサンドル・アジャ、主演はカヤ・スコデラリオです。
生成AI
映画は、巨大ハリケーンに襲われたフロリダを舞台に、凶暴なワニの巣窟と化した家に閉じ込められた父娘の運命を描いています。大学競泳選手のヘイリーは、疎遠になっていた父が連絡が取れなくなっていると知り、実家へ探しに戻ります。地下で重傷を負い気絶している父を見つけますが、彼女もまた、何ものかによって地下室奥に引き摺り込まれ、右足に重傷を負ってしまいます。
ヘイリーは、負傷し、自宅に閉じ込められてしまった父親を救うべく奮闘します。水中に潜む恐ろしい脅威に直面し、じわじわと浸水していく床下スペースで身動きが取れなくなっていきます。
同上
感想
大変クリアな画像で、全般にブルーグレーがかった色調が美しく感じました。映画の多くが床下の暗い部分で展開しますが、十字型のレンガの隙間から差し込む光が明るく少しの開放感をもたせています。
同時にその隙間から流れ込む水が主人公達を追い込んでいくという不気味さも兼ねています。
床下が排水溝から進入したワニの巣となっており、娘ヘイリーが複数あるワニの卵の一つを割って、黄色い中身が出る部分が強烈に気持ちが悪いです。その後、卵からあかちゃんワニが生まれるシーンもはさまれます。つまり床下にワニがいたのかの理由がきちんと描かれていて説得力を高めています。
主人公の父と娘はもちろん最後までサバイバルするのが分かっています。そこで、無残な思いをするのは、ガススタンドから盗みをしている若い家族(夫婦と少年)です。水の中に引きずり込まれる、ふりまわせれるなどのアクションで、直接からだが損壊するシーンはありません。レイティングは+15。
もう二人、残っている者が居ないか探しに来たヘイリーの友人ががっつりやられるのはかわいそうです。水に浮く遺体を何度もカメラは捉えます。親しい友人の死にもめげないヘイリーの鋼鉄の魂が描かれます。
ワニは映画の中では、水の揺らぎや泡に反応して獲物をキャッチし襲ってきます。映画前半水のない床下では、目視で襲ってくるように見えます。クライマックスで父と娘の間をワニが二人に気づかないように泳ぐのは矛盾しているように思えます。
とまれ、どんなに過酷な状況下でも決して諦めない、それが乗り越える道だというテーマははっきりと見る者に刻まれます。かつワンシチュエーションで、緊迫状態を保持しながら一気に見せていく本作は非常に魅力的です。
3時間越の長い映画が多い中、本作は1時間27分ゆるみなく楽しませてくれます。短い映画もいいものです。amazonプライムビデオでぜひ御覧ください。
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