
月曜9:00から。シニア中心に5人ほど
結論
やはり映画は映画館で、を痛感・再確認させてくれた。何度見ても見始めたら最後まで引きこまれる名作中の名作
概要・あらすじ
世界エンタテインメント史上に燦然と輝く超傑作映画。その圧倒的おもしろさは、制作から70年以上が経過した今も全く色褪せることがない。
モノクロだけれど、時代劇だけれど、長尺だけれど、おもしろいものはおもしろい。
“世界のクロサワ”=巨匠・黒澤明監督の代表作。
初公開当時ヴェネツィア国際映画祭で受賞したほか、各国の歴代ベストランキングには必ず登場する歴史的な作品でもある。
さらに現在活躍中の日本の漫画家たちや映画監督、アメリカの映画監督など世界のエンタテインメントクリエイターたちの魂を刺激してきた。
この傑作が、新4Kリマスター版でさらにクリアになって蘇る!公式サイトから運用
戦国時代。
度重なる野盗の襲撃に窮した村が防衛のために「侍を雇う」ことを決意する。
しかし、栄誉も褒章もなく、ただ、飯が食えるだけ、という依頼に応えようとする侍はいなかった。
ある日農民たちは、人質となった幼子を救った勘兵衛(志村喬)に出会う。
勘兵衛は熟慮を重ね、協力を決断。
苦心の侍探しの末、多士多彩な七人の侍が集結した――。同上
感想
冒頭野武士の集団は夜明けに目的の村を目指して走るが、夜明け頃故暗い。しかしついに村を一望できる峠に至ると完全に夜が明けたのか非常に明るい画面となります。野武士のセリフもよく分かります。一番の驚きは野武士の声を聞いていた農民の背負っている薪の枝が1本1本くっきりと見えるところ。
冒頭からして新4Kのパワーを感じさせてくれました。
村人が嘆き悲しんでいる遠景から、この作品の特徴である3段ズームで集団の中に観る者を飛び込ませます。3段ズームは長老の水車小屋の真っ黒な水車でも使われ、長老の威厳と孤高さも表しているようです。
村人達の話し合いは音声が明瞭で一人一人が何を言っているのかわかります。ただ左卜全(与平)だけはここだけでなく全編に渡って何を言っているかわかりません。それが逆に彼らしいびくびくした卑屈さをよく感じさせました。

侍捜しのシーンでは早坂文雄の軽快な音楽が印象的。行き交う人も多い町がどこかも、村がどこかも設定は分かりません。それがノイズになることなく、映画に没入させるパワーがこの映画にはあります。
また音声のことになりますが、志村喬(たかし)の声は明瞭かつとてもウォーミングで聴きやすいです。三船敏郎の声は早口でときおり?の所もありました。村の長老の声も何を言っているかはっきり分かります。長老が眼を見開いても白目と黒目の違いが感じられないところが怖い。
侍捜しの場面では宿に同宿する人足の男がいい仕事をします。特に眉のつながった人足はセリフも多くギラギラした顔が強烈です。彼の仲間の無口な腕っ節の強い男も印象深い。メインキャスト以外のこれらの人々までくっきり刻まれています。
最初の侍官兵衛(志村喬)の出現シーンは実に多くのエキストラを使った力の入ったものとなっています。多くの人々の移動、にぎりめしをもって走ってくる一人の女の移動など多と一人という構図が交差的に重ねられています。そして人質をとって立てこもった男の最後はスローモーションで非常に強い印象を残すように作っています。

志村の凄い人助けを見た村人は、彼に村の防備を頼むことを決意します。しかし志村は初めは他の浪人者と同様に断ります。その時に前述した眉のつながった人足の男の言葉が志村を変えていきます。その意味でもこの眉のつながった人足は超重要人物なわけです。
村の様子から少なくとも7人は必要と判断した志村の侍捜しがスタートします。ユニークな侍達はみな魅力的ですが、特に剣技をどこまでも究めていく男「久藏」の登場シーンは忘れられません。また剣技は中ぐらいだがユーモアに溢れた千秋実(平八)を「苦しいときに役に立つ」と仲間に含めていきます。

さらに志村の古女房の戦友七次郎(加藤大介)、志村を慕う若侍勝四郎(木村功)と破天荒な菊千代(三船敏郎)が加わっていきます。志村の人柄に感じた五郎兵衛(稲葉義男)は最初の仲間でした。


いずれも志村の吸引力に吸い寄せられた七人。このようなチーム編成は現代の様々な場面にも応用ができるかもしれません。つまり強力なリーダーを中心に多様な個性でチームを作っていくということに有用性を感じます。
さて侍結集だけでかなり長くなってしまいました。村での村人を教育して要塞を築き、そして野武士との決戦についてはまた別のブログで記したいと思います。

とにかく何度見てもおもしろい永遠の名作であることは間違い有りません。今後も技術が上がってより見やすくなってリバイバルされることと思います。ぜひとも劇場の暗闇で没入されることをオススメします。

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