ロン・ハワードの「インフェルノ」

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先日亡くなったロン・ハワード監督作品「インフェルノ」(三和図書館)を観ました。冒頭から終末まで休み無く駆け抜けるジェットコースタームービーである。しかし、イタリアのベッキオ宮殿やベニス、フィレンツェ、そしてトルコのイスタンブールなど歴史的史跡を背景にダンテの地獄編、ボチチェリの「地獄の見取り図」などが謎解きのヒントとなっていくところがこのシリーズの素晴らしいところだ。冒頭主人公ラングドン教授が見る、地獄の幻想の表現も素晴らしく恐ろしい。ロン・ハワードいい仕事をしている。さて、この物語の背骨は、人口爆発に歯止めをかけるべく、富豪の遺伝子学者ゾブリストが自作のウイルスを放出しようとするのを、阻止するという物語だ。彼もそして彼を支援する美しき女性も、地球を救いたいという信念を貫こうとする。単なる狂った殺人者でないところが、観る者を悩ませてしまう。ラングドンもエリザベスも人の命を救おうと必死である。つまり、この映画には真の極悪人はおらず、勧善懲悪の単純な話で無いところが深い。戦争は悪である。繰り返しそう教えられた来たし、そう思っている。「ホモ・デウス」の中でハラリ氏は、「戦争が人を進化させた」側面のことを語る。なるほどと考えさせられる。何が善で何が悪か、それはとても難しい。シェイクスピアもモーツアルトも言ってるなあ。「いいが悪いで、悪いがいい」って。「インフェルノ」楽しめてちょっと考えさせてくれる映画だった。

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