ロス

Drama
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藤沢周平原作「立花登 青春手控え2」(NHK)最終回を観ました。その中で面白い場面があった。囚人が処刑のために牢から出るとき、牢の中に囚人たちは、まるで猫でも追い出すように「しっ しっ」と全員で声を出すのである。これは初めて見る影像である。この習慣は何を表す野か?死刑になるほどの極悪人への、同じ罪人でありながらの鞭打ちか?いやそうではなかろう。いつ自分も死罪となり同じ目にあうかもしれないのだから。一種のエールのような気もする。

さて、処刑が執行される直前に、登は「罪を犯していない人をころしてはいけない」と役人に全身全霊で訴える。命を扱う医者の魂からの叫びだ。最終回にこのクライマックスは最高であった。このすてきな時代劇が観られなくなる寂しさよ。これが「ロス」っていうことなのかな。現在藤沢周平の「一茶」をゆっくり読み進めている。この作品の冒頭もたいへんすばらしいものだ。

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