ライアン・ジョンソン監督・脚本「ルーパー」ブルース・ウィリス総選挙第10位

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ブルース・ウィリスが失語症との理由で、引退してしまいました。ライムスター宇多丸の映画評論番組(アフター6ジャンクション)で、ブルースの主演映画人気投票が放送されていました。

samon
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そのベスト10の栄えある第10位に輝いたのが「ルーパー」という作品です。未見であり、内容はSF。未来から来た自分を殺さなければならないというストーリーです。AmazonPrimeVideoで配信があったので、観てみることにしました。すると、しっかり味のある何度もかみしめることのできる佳編でした。オススメです!

ブルース・ウィリス

改めて紹介することもないと思いますが、簡単に引用から。

ウォルター・ブルース・ウィリスWalter Bruce Willis1955年3月19日 – )は、アメリカの元俳優。彼のキャリアは1980年代から始まり、それ以来コメディ、ドラマ、アクションといったジャンルで、テレビと映画の両方で活躍している。『ダイ・ハード』シリーズの主人公ジョン・マクレーン役でよく知られている[2]。他にも60作品以上に出演し、『パルプ・フィクション』(1994年)、『12モンキーズ』(1995年)、『フィフス・エレメント』(1997年)、『アルマゲドン』(1998年)、『シックス・センス』(1999年)、『アンブレイカブル』(2000年)、『シン・シティ』(2005年)、『森のリトル・ギャング』(2006年)、『RED/レッド』(2010年)のように興行的成功を収めた作品も多い。2度エミー賞ゴールデングローブ賞を受賞し、4度サターン賞にノミネートされた。

wikiより引用

ブルース・ウイリスは、スタローンやシュワルツェネッガーのように、映画を自分色に染め上げてしまう役者とは対照的に、様々なタイプの作品にすっと登場して、深い印象を残していく役者でした。

また、「銀幕にポップコーン」の特集では、ブルースは「巻き込まれ型」「ぼやき」「疲れ」などのキーワードでも語られていました。

本作のブルースは、妻を殺された復讐に向かう男ですが、人生への疲労感や悔恨を深くにじませる演技がよかったと思います。

また、過去の自分と向き合って(物理的にテーブルを挟んで)、自分に説教するのですが、これってつらいと思いませんか?あれ、「ルーパー」の話に入ってきちゃいました。そちらに移行しましょう。

映画「ルーパー」

本作は、「スターウォーズ エピソード8 最後のジェダイ」の監督に抜擢されたライアン・ジョンソンが監督と脚本を務めた作品で、また彼の出世作でもあります。

オリジナル脚本の部門で、さまざまな映画賞でのノミネートと受賞をしています。これは「未来の自分を追いかける若いジョーと、ある目的を達成するために、追っ手から逃げながら標的に迫るオールドジョー」というアイディアのすばらしさ故でしょう。

そして、エンディングの悲しい解決アイディア。伏せます。しかし、強烈につらい。

本作に漂うディストピアまではいかぬものの、何とも退廃とした雰囲気は、前半の暗い夜のシーンと、ルイジアナの青空と照りつける太陽にトウモロコシ畑という、明るさの対比が醸し出していく独特のものです。

近未来のガジェットもいろいろと興味深いですが、肝心の拳銃が西部劇時代のままか、あるいは退化しているのはおもしろいです。

あらすじ

舞台は近未来2044年のカンザス州、ジョーは未来の犯罪組織との契約でタイムマシンで過去である今に送り込まれた標的を射殺して死体を処理する殺し屋、通称「ルーパー」だ。しかしある依頼で処理することになったのは、30年後の未来からやってきた自分自身だった。未来の自分(オールド・ジョー)に反撃されて殺せずに取り逃がしてしまったジョーは、逃亡しているオールド・ジョーの最終目的は30年後に未来の犯罪王「レインメーカー」となる幼い子供の抹殺であることを知る。

wikiより引用

後半の開始は、サラ(エミリー・ブラント)が大木を斧で取り去ろうとするシーンから始まります。場面ががらっと変わっいて、少し戸惑います。サラは、手の皮がむけて血がにじんできても、自分の力で作業を続けます。自力で生きていく覚悟を決めた女性を象徴しているようです。

この女優さんの美しいブルーの瞳はどこかで・・・・。そう、映画「クワイエット・プレイス」2作でやはり強い母・女を演じた女優さんです。引き締まった表情が、自立する女に似合うのでしょう。好きな女優さんです。

サラはトウモロコシ畑に囲まれた家に、息子のシドと2人で暮らしています。シドは、あまりかわいい子役ではありません。独特の癖のある顔をしています。それには理由があり、彼は強力なTK(テレキネシス)を持っていて、怒りにまかせて放たれるその強力なパワーを、自分ではうまく制御できないのです。

TKエネルギー発動のときのその表情の歪み。シドの独特の顔は、そこでとんでもない効果を発揮しています。

ヤングジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)

若きジョーが、頭髪の後退具合を気にするのは笑えますね。30年後の自分の頭を見たときどう思ったでしょうか。未来の自分を見る恐ろしさ。

ヤングジョー役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは特殊メイクを施されています。鼻の部分をブルース・ウィリスに寄せているとのことです。特殊メイクを担当したのは、辻一弘という日本人ですね。

ジョーは、母親から捨てられ、人殺しの転落人生を歩んでいるのですが、母親を麻薬中毒にした組織にも恨みをもっています。

映画のクライマックスで、シドが同じような人生を送ることが見えたと独白して、そして最後のつらいつらい決断をするのです。

その後のシドがどうなったかは観る者の創造にゆだねられます。うーん良くできたオリジナル脚本です。

samon
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全体に話は大変暗いストーリーですが、映像の明るさやブルースとジョセフのほんわか感のためにか、独特の不思議な味わいの映画に結実しています。脚本の見事さを何度もかみしめることができる点もいいです。みなさまぜひ御覧になって、ブルースを味わいましょう。オススメです。私は、次はリチャード・ドナー監督作品「16ブロック」を観る予定。疲れに疲れ切った警官が巻き込まれるブルース適役の佳作を楽しみにしています。

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