ペパーミント・キャンディー

Movie
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監督・脚本イ・チャンドン韓国NHKの共同制作による韓国映画「ペパーミント・キャンディー デジタルリマスター版」(AmazonPrime)を観ました。1999年20年ぶりのピクニックに場違いなスーツ姿で現れたキム・スンホ(ソル・ギョング)。彼の20年が巻き戻されていく物語。7つのエピソードで描かれるが、各エピソードの終わりに、鉄道の影像が、進む列車の先頭から描かれる。これが、各エピソードのアイキャッチのようでとてもよい。ところが、このアイキャッチの何本目かで、線路の左に二人の子どもが現れる。この子らが、何と後ろ向きに駆けていくのだ。そんな遊びもあるのかなと思うが、すぐ後ろにリアカーを引いたおじさんが登場し、彼まで後ろ向きに進んでいるので、ああこの影像は逆再生しているのだと分かる。つまり映画同様に巻き戻っているのだ。この瞬間に単なる風景だった線路を走る影像が意味をもってくるのだ。破滅した男の人生がこの列車そのものなのだと。それを遡る物語がこれなんだと。その人生の喜びであり哀しみなのが初恋の女性ユン・スニム(ムン・ソリ)である。彼女が兵役のスンホに送っていたのが、ペパーミントキャンディー。それを食べずに貯めていたスンホだが、1980年5月の光州事件勃発での出撃の際に。キャンディーはこぼれ、兵士たちに踏みつけられていく。まるで、彼の人生がつぶされる始まりのように。人生の苦さをかみしめる様な映画だ。今日長崎は昨年より27日も早い梅雨入りが宣言された。

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