ブロムシュテッドを讃えて

Classic
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ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 10月27日の定期演奏会(NHKE-テレ クラシック音楽館)を聴きました。コロナ対策か短いプログラム。「ステンハンマル作曲 セレナーデ」「ベートーベン作曲 交響曲第5番 運命」である。ステンハンマルはスゥエーデンの作曲家である。「セレナード」は楽章に「カンッオネッタ」や「夜想曲」などわかりやすい表題も振られ、明るくさわやかなイタリアの1日という感じである。バイオリンソロやチェロのソロ、弦楽器のカルテットのような室内楽的場面も出てきて、とても楽しめる曲だ。弦楽四重奏もたくさん作曲しているので、演奏してみたい作曲家だ。「運命」はどの楽章も快速で、94歳と思えぬ闊達な指揮ぶりに驚く。細部までコントロールしていることもよく分かる。サントリーホールの響きの中、オーケストラも芳醇な響きと繊細なダイナミクスで、今更ながら「運命っていい曲」ということを再確認させてくれる。演奏後ブロムシュテッドは何度も観客の前に呼び出され、観客はスタンディングオベーションで讃える。彼が、オーケストラを立たせようとしても、オケのメンバーは立たず、観客と一緒に万雷の拍手を指揮者に送っていて、ブロムシュテットへの信頼を感じさせてくれた。アンコールはなく、運命4楽章のように、勝利を喜ぶような多くの拍手の中で演奏会は幕を閉じていった。この勝利が、感染症への勝利になることを祈りたい。

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