ローバートAハインライン著「夏への扉」読了しました。1963年の福島正実氏訳が著名だが、今回は2009年の小尾芙佐氏訳を読む。日本での人気の高い作品だが、私は初読となる。主人公の機械技師で発明家のダンが、コールドスリープで30年後の2000年(!)に目覚めるが、再び30年前に今度はタイムトラベルし、過去をいじって、再びコールドスリープで30年後へ行くという話。何かに似ていますね。そう、名作SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の元ネタのようだ。本書の発表は1956年。ダンの発明するもので実現しているものもある。キーボードで製図を製作するCADシステムだ。家事等なんでもやってくれるロボットは未だできてはいない。小説内の2000年に実現しているおもしろい配送システムがある。宇宙エレベーター状のもので、配送物を上空まで運び上げ、そこから配送先まで自由落下の力で滑り落として運ぶというもの。猫のピートが登場するが、特に活躍するでなく、猫は猫として自由に振る舞っている。ロマンチックでハッピーエンドなところが、日本人に好まれているのだろうか?海外ではそれほどの人気はないようだ。日本では舞台や2021年6月に実写映画としても公開された。観てないけど。爽やかな読みやすいSFとしてオススメ。
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