ドーリック弦楽四重奏団 ベートーベン作品130「大フーガつき」4人が全身で表現し、どの楽器も突出しない有機的バランス

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新しいBDレコーダーがやってきて、NHK-BSの「クラシック倶楽部」の録画が復活。イギリスの同年齢で結成された弦楽四重奏団のベートーベンを聴きました。

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結論

4人がそれぞれ全身で音楽を表現し、かつ誰かが突出することのないバランスのよい演奏。大フーガの圧倒的な演奏に唖然とすること間違いなし。

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ベートーベン弦楽四重奏曲作品130と133

作品130

1825年11月に完成された[1]。伝統的に出版順に番号付けされているが、作曲順では本作が14番目に相当し、第15番の次に作曲された。1826年3月にシュパンツィヒ四重奏団によって初演され、1827年の出版時にロシア貴族ニコライ・ガリツィンに献呈された。6楽章からなる。

初演時は終楽章に『大フーガ』が置かれ、50分前後に及ぶ作品だった。ベートーヴェンは後期においてしばしばフーガを好んでおり、本作だけでなくピアノソナタ第29番『ハンマークラヴィーア』交響曲第9番ピアノソナタ第31番で用いている。しかし『大フーガ』は大変難解で、初演後にも評価が二分した。結局ベートーヴェンは、友人の助言や出版社からの要請もあって『大フーガ』を切り離し(独立して作品133として出版された)、これとは別の、もっと軽快で小型の終楽章を新たに書き直して出版した。

wikiより引用
作品133「大フーガ」

ベートーヴェンが完全に聴覚を失った1825年から1826年にかけて作曲された。

19世紀から長い間、『大フーガ』への理解は進まず、あるいは失敗作と見なす向きもあった。ルイ・シュポーアは、ベートーヴェンの他の後期作品と併せて「わけのわからない、取り返しのつかない恐怖」と怯え、ダニエル・グレゴリー・メイソンは「人好きのしない」曲であるとした。19世紀末の歌曲の大家フーゴー・ヴォルフでさえ、この曲を含むベートーヴェンの晩年の弦楽四重奏曲を「中国語のように不可解である」と評している。しかし20世紀初頭ごろからようやく理解され始め、次第に評価は好転、現在ではベートーヴェンの偉大な業績の一つとみなされている。イーゴリ・ストラヴィンスキーは、「絶対的に現代的な楽曲。永久に現代的な楽曲」と述べている。今日では普通に演奏・録音されるようになっており、録音では第13番の後に『大フーガ』が併録されていることが多い

wikiより引用

今回のドーリックの演奏では、オリジナルの形で演奏されたということですね。作品130の後半楽章は全体に短く、その分「大フーガ」が圧倒的迫力で迫ってきます。

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感想

弦楽四重奏では、主に旋律を担当する第1バイオリンが目立ちます。逆に内声部を担当する第2バイオリンやビオラは聞こえにくく感じます。チェロは一番低く、また旋律も担当することも多いのでよく聞こえます。

代表的なのはウィーン・アルバン・ベルク弦楽四重奏団で、圧倒的な第1バイオリンのパワーが特徴でした。

このドーリック弦楽四重奏団の演奏では、これと逆の印象を受けました。第1バイオリンが突出して聞こえてくることがなかった。4人の奏者が有機的なバランスを取りながら、全員が一丸となって主張してくる。そんな演奏でした。

特に「大フーガ」は4奏者ともが同じクオリティでなければ成立しにくい曲でもありますから、よりそう感じたのかも知れませんが。

特に通常とても目立ちにくいビオラの音が主体性をもってしっかり響いてくる印象です。これは下の引用でも述べられている、ジュッサーニという名器の効用でもあると思われます。

それにしても一人ひとりの奏者の体全体を使った演奏が圧倒的です。全身から音楽が噴出してくるようです。同時に曲全体として一体化している。そんなすばらしい演奏でした。

ドーリック弦楽四重奏団

ドーリック弦楽四重奏団はイギリスの同世代で結成され、世界中の聴衆、批評家を魅了し、今最も注目されている四重奏団である。
1998年イギリス、サフォークで開催されていた「若い音楽家のためのサマー・ミュージック・スクールの室内楽コース」をきっかけとし結成。2002年からパリにて、アルバン・ベルク四重奏団、アルテミス四重奏団、ハーゲン四重奏団、ラサール四重奏団のメンバー等によるマスタークラスにて研鑽を積んだ。その後もハーゲン四重奏団のライナー・シュミットの下、バーゼル音楽アカデミーで研鑽を積んだ。
2000年ブリストル・ミレニアム弦楽四重奏コンクールで第1位、2007年メルボルン国際室内楽コンクール弦楽四重奏部門で入賞。2008年には大阪国際室内楽コンクールで1位、イタリアのパオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールで2位となった。

第1ヴァイオリン:アレックス・レディントン(Alex Redington)
第2ヴァイオリン:イン・シュー(Ying Xue)
ヴィオラ:エレーネ・クレマン(Helene Clement)
チェロ:ジョン・マイヤースコウ(John Myerscough)
ヴィオラ奏者の使用楽器は、ブリテンペアーズ財団から貸与されている 1843年製ジュッサーニ(Guissani)は、以前フランク・ブリッジ、ベンジャミン・ブリテンが所持していた楽器である。

ネットより引用
samon
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大阪国際第1位のときのメンバーとは現在は変わっていますが、むしろパワーアップした感もあります。大阪国際のときの動画はyoutubeで観ることができます。NHKの放送も再放送あればご覧ください。

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