デンゼル・ワシントンは大好きな俳優です。彼が演じる誠実で強靱な人物には憧れます。本作は劇場公開されませんでたが、配信が行われました。今回彼が演じるのは猟奇殺人の解決にこだわる警官。売り出し中の刑事とのバディものとなるのですが、不思議な方向にずれていきます。
結論
映画のカタルシスは味わえない独特の結末。現実の苦みをかみしめることのできる変わった作品。主役3人の演技に感嘆すべし。
概要・あらすじ
『リトル・シングス』(The Little Things)は2021年のアメリカ合衆国のスリラー映画。監督はジョン・リー・ハンコック、出演はデンゼル・ワシントンとラミ・マレックとジャレッド・レトなど。訳ありの過去を持つ保安官代理が気鋭の巡査部長とともに猟奇連続殺人事件に挑む姿を描いている[3]。
日本では劇場公開されなかったが、2021年7月7日にDVDレンタルおよび、2021年11月3日にデジタル配信が開始された[4]。
wikiより引用
ジョー・ディーコンは、元はロサンゼルスの敏腕刑事だったが、ある連続殺人事件の捜査に失敗して心を病み、今はベーカーズフィールド (カリフォルニア州)の片田舎でひっそりと保安官を務めていた。雑務処理のために、かつての職場であるロサンゼルスへ、制服姿で嫌々ながら向かうディーコン。市内で、かつての連続殺人が再発していることを知ると、ディーコンは有給休暇を申請してロスに宿を取り、私服に着替えて勝手に捜査を開始した。
同上
FBIに管轄が移る前に事件を解決したいロス市警のジム(ラミ・マレック)は伝説的なディーコンの力を借りて事件解決に乗り出します。
容疑者として上がったアルバート(ジャレッド・レト)に二人は迫りますが、証拠のないアルバートを追い詰められません。犯罪マニアであるアルバートは二人の刑事を煽る行動を始めます。
感想
かなりすっきりしないエンディングに、映画のカタルシスを感じることなく劇場をでるという悲劇を避けるために劇場公開されなかったと思われます。
その分、作り手の主張「天使なんかどこにもいないし、些細なことに人世は飲み込まれ翻弄される。ままならないよ」は強く印象づけられます。
でも、そんなことはわかってるよ、毎日そんな目にあってるんだから。だからせめて映画の世界では希望をもちたい・・・多くの観客はそう思ってるのではないでしょうか。
だから映画全体としての評価は下がってしまいます。
そうはいっても主役3人の演技のアンサンブルは見事で、まんまと話にのめりこまされてしまいます。
颯爽としていたジム(ラミ・マレック)はだんだんあわれに見えてくるし、ディーク(ワシントン)は、すべてを察してしかしすこし引いたところで観察している不気味な存在を演じきります。
アルバート(ジャレッド・レト)は実に憎々しいですが、その老獪さはまさに悪であり、ジムを破滅へと引きこんでいく悪魔を見事に演じています。
後味はとても悪いので、万人にはおすすめできませんが、主役3人の演技を楽しむ作品として、アマプラで御覧になってください。
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