タイ・ウエスト監督作品「マキシーン」アマプラ登場 X三部作完結編はまたぜんぜん違うタッチ

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前作「パール」が極彩色ディズニータッチで唖然。完結編はいかに

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結論

ヒチコックいやこれはブライアン・デ・パルマだ。大好きなデ・パルマのタッチは受け入れざるを得ない

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概要・あらすじ

タイ・ウェスト監督&ミア・ゴス主演によるスリラー映画「X エックス」「Pearl パール」に続くシリーズ第3作。実在の連続殺人鬼ナイト・ストーカーの恐怖に包まれた1985年のハリウッドを舞台に、「X エックス」で描かれたテキサスでの猟奇殺人事件から生還した女優志望のマキシーンが、邪魔する者たちに立ち向かいながらハリウッドの頂点を目指す姿を描く。

ミア・ゴスが引き続きマキシーンを演じ、彼女を主演に抜てきする映画監督役でエリザベス・デビッキ、スクリームクイーンとして人気を博す女優役でリリー・コリンズ、6年前の事件を知る私立探偵役でケビン・ベーコンが共演。

2024年製作/103分/R15+/アメリカ
原題または英題:MaXXXine
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2025年6月6日

ネットより引用

テキサスで起きた凄惨な殺人事件の現場から、マキシーンがただひとり生き残ってから6年が過ぎた。ポルノ女優として人気を獲得した彼女は、新作ホラー映画の主演の座をつかみハリウッドスターへの夢を実現させようとしていた。その頃ハリウッドでは連続殺人鬼ナイト・ストーカーの凶行が連日ニュースで報道されており、マキシーンの周囲でも次々と女優仲間が殺されていく。やがてマキシーンの前に、6年前の事件を知る何者かが近づき……。

同上

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感想

ラシュモア山ならぬハリウッドの丘でのクライマックスはヒチコックへの敬愛かと思いきや全編にちりばめられたエロティックさ猥雑さは、これはもう間違いなくブライアン・デ・パルマ監督をなぞっているとしか思えません。

映画監督役のエリザベス・デビッキは高身長の超美人で、ルック的には主役のミア・ゴスが霞んでしまっているように思えます。しかし孤独をたたえたような個性的なミア・ゴスの演技はやはり惹きつけられます。

連続殺人犯がつかまっていない中で、早道のためか夜の路地裏を選ぶも、大通りに出るフェンスが鍵がかかっていて、そこにバスター・キートンの扮装の男がナイフを持って現れるところは盛り上がりました。その後のミア・ゴスの対応がまた最高でした。キートン痛そう!それにしてもタイ・ウエスト監督「ぐちゃ」がお好き。「X」でのパールの末路もでした。

覗き部屋を観ながら憎しみか怒りか、建付けを外してしまう皮手袋の男。皮手袋を見ると「殺しのドレス」の殺人者を想起してしまいます。記事の冒頭でブライアン・デ・パルマをなぞっていると書きましたが「殺しのドレス」のメトロポリタン美術館の逍遥シーンや「ボディダブル」のくらくらする回転カメラなどのすばらしい映像テクニックシーンが本作にはあまり見られないのが残念。

デ・パルマはヒチコックの後継者と言われます(ローラン・ブーズロウ/デ・パーマカット)。本作「マキシーン」ではベイツ・モーテル(「サイコ」)がサスペンスに使われます。今や老人となったケビン・ベーコン扮する探偵に追われ、マキシーンがベイツ・モーテルに逃げ込むシーン。

ベイツ・モーテルの2階の窓に誰か女が立っている不気味さもいいですね。「女優霊」の恐怖を彷彿とさせます。このヒチコックオマージュがデ・パーマオマージュと2重かさねになっています。

クライマックスでのカルト教祖との対決も、マキシーンの呪縛からの開放を描いていると思いますが、何となく盛り上がりませんなあ。二人の警官のからみももっと効果的であってほしかった。

前作「パール」がタイトな名品であっただけに、なんとなくしりつぼみな完結編となったようです。監督のタイ・ウエストも4作目を作るのはやめにしたようです。

しかしながら、タッチを変えながらミア・ゴスを撮り抜いた「ミア・ゴスのための三部作」を考えれば悪くないと思います。ミア・ゴスに惚れぬいたタイ・ウエストの矜恃でしょうか。タイ・ウエストの次回のアプローチには要注目したいと思います。

samon
samon

大好きなブライアン・デ・パルマのタッチを取り入れた三部作完結編。受け入れます。ミア・ゴスの眉毛無しソバカス顔忘れられそうにありません。皆さん機会あればぜひご覧ください。アマプラ見放題中。

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