公開2週目。月曜日の昼の回。ユナイテッドシネマ2番スクリーン、大きな部屋で鑑賞。平日の昼間ゆえか客はかなり少ないようでした。はてさてハードルの高い前日譚を奇跡の監督はどう描くのか?
結論
デス・ロードのからからひりひりのタッチと異なる少しウエットな本作。そこも楽しみつつ次回作「ウエイストランド」へつなげるためにも、みんなで応援いたしましょう。
概要・あらすじ
『マッドマックス:フュリオサ』(原題:Furiosa: A Mad Max Saga)は、2024年のオーストラリアのアクション映画。
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場したシタデルの大隊長の女戦士フュリオサの若き日を描くスピンオフ映画。『マッドマックス』シリーズと同じジョージ・ミラー監督、アニャ・テイラー=ジョイが若き日のフュリオサを演じる。
あらすじ
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚であり、本作は五つの章に分けられている。世界が崩壊した時、若き日のフュリオサは「母なる緑の地」から攫われ、ディメンタス率いる巨大な暴走族のバイカー集団「バイカー・ホード」の手に落ちてしまう。「荒れ果てた地」を駆け抜ける彼らは、イモータン・ジョーが統治するシタデルに辿り着く。ディメンタスとジョーの2人の暴君がシタデルの覇権を巡って対立し争う中、フュリオサは多くの試練を乗り越え、故郷への道を探す事になる。
wikiより引用
感想(ネタばれあり注意)
地球→オーストラリア大陸→中央の砂漠→細長い緑の地。冒頭映像だけで映画世界に引っ張り込まれます。神視点も感じさせるこの宇宙からのショットはシリーズにこれまでなかったように思えます。冒頭からこれまでと違うタッチがあります。
真っ赤なリンゴに始まり、ちょっとおぞましいディメンタス養分で育ったリンゴで終わる構造の美しさ。さてその中身は。
10歳の少女フュリオサはとてもかわいく聡明。バイカー強盗に連れ去られるが、唯々諾々とさわられない強靭な強さを見せます。ディメンタスに母をむごたらしく殺され、それを見せつけられますが、泣き叫ぶわけでもなく、怒りを全身にみなぎらせる目で見つめます。
この少女時代が結構長いので、アニャ・テイラー・ジョイを心待ちにしていた観客はじりじりしたかもしれません。
少女時代にイモータン・ジョーのあの「ワイヴス」に入れられますが、その後脱出してもイモータンらはそれほど血まなこで追うようなこともなく、フュリオサは逆手を取ってイモータンらの中で成長していきます。イモータンが「ワイヴス」をどう見ているかがわかります。
ついにディメンタスを追い詰めたフュリオサが「覚えているか」とたずねてもディメンタスは完全に忘れているようでした。
これらから、男たちが女をどうとらえていたかが見えてきますね。それは現在日本にも現存する「男社会」を暗喩するのでしょうか。
巨大トレーラーとそれを追う敵方とのアクションが「怒りのデス・ロード」同様、映画の最大の魅力です。前作では棒高跳び戦法が特徴的でしたが、本作では空中戦です。
パラ・グライダーやエンジンをもつ凧が登場。特に悪魔仮面真っ黒装束のオクトボスがかっこいい。戦いに誠実な戦士という印象です。
空中からの攻撃に対抗するのが、トレーラーの後部に付いている「ボミー・ノッカー」。とげとげの鉄球のぶら下がった何本もの鎖を回転させて扇風機状態で防御します。待ってましたこの武器は1度だけ登場。オクトボスらを撃破します。
見所が随所にある作品ですが、「怒りのデス・ロード」とはかなりタッチの違いのせいか、アメリカのボックスオフィスは客の入りが今一つという情報があります。そのため、ミラー監督の構想にある次回作「ウエイストランド」の製作が危ぶまれているとのこと。
私的には十分に楽しめた本作です。次回作のためにも、まだ未見の皆様ぜひ劇場に足を運んでください。オススメです!
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