シャコンヌ

Classic
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グレン・グールドの弾くバッハの「ゴルドベルク 変奏 曲」(旧盤)を聴いていたら、ヘンリク・シェリングの弾く「シャコンヌ」がどうしても聴きたくなりました。

学生時代にこの演奏をある喫茶店で聴き、いたく感動したことを思い出したのだ。カウンターだけのそのクラシック喫茶は今はもうない。マスターは喫茶店だけでは食えなくって、運送業も兼業していた。カウンターに座って、そのカウンターに乗せたあった大きなスピーカーで聴いたのである。もちろんレコードである。あやうく落涙しそうになってしまった。その演奏がシェリングのグラモフォンのものだった。

後日私はそのCDを手に入れた。ところが、あのときの感動は少しも再生されなかったのだ。私はこのとき、CDよりもアナログレコードの方が、人の感興を動かす力があることを実感した。だから先輩たちや仲間が、レコードを手放してCDに移行していっても、レコードを棄てる気になれなかったのだ。

今年、CDの売り上げ高を、30年ぶりにアナログディスク(レコード)が上回ったそうである。むろん、CDの売り上げが配信に移行して下降したためであることもあるだろうが、アナログディスクが死ななかったのには、人に感動をもたらすものがCDを上回っていたからということもあるのではないかと思う。

不覚にも、酒を飲んでいた私は、シャコンヌに至る前に眠り込んでしまったようである。とほ。

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