1月9日、カルテットの素晴らしい演奏を聴きました。フレッシュな2つの弦楽四重奏団によるベートーベン。カルテットインテグラは第5番。4楽器の音程がすばらしい。特にファーストバイオリンはうまい。音が美しく華があってよく響いている。忘れられない音だ。
カルテットアマービレはミュンヘン国際コンクール3位の優秀カルテットだ。ラズモフスキーの第1番。このカルテットの4人の力量は圧倒的だ。それぞれが十二分に表現し合い、そのぶつかり合いがとんでもない完成度の高みを見せてくれる。ビオラの図太い鳴りは特に心に残る。ベートーベンはラズモフスキーからどーんと演奏難易度が上がり、王侯貴族が気楽にやるような曲で無くなってくる。彼らの演奏は改めてこの曲の凄さを深く印象づけられた。
最後はベテランの演奏。東京カルテットのお二人とチェロは堤剛氏に青柳晋氏のピアノで、シューマンのピアノ四重奏だ。音程だとかボリウムだとか4人のシンクロとかは、前の2つのカルテットに及ばぬが、音の味わいが体にしみこむようだ。滋味豊かな演奏に感動は深い。特にアンコールもしてくれた第3楽章の美しいこと。これまた忘れられぬ。ああ、良き2日間であった。翌日さらにすごいものを観るとは!
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