コーラの味

根岸吉太郎監督作品「サイドカーに犬」を観ました。追悼である。この映画は主人公ヨーコ（竹内結子）と少女薫（松本花奈）の一夏の出来事を描いている。

竹内結子をスクリーンで観たのは、中田秀夫監督作品「リング」だった。高校生友子の役で、冒頭からスクリーンに登場し、最初の犠牲者となる。ショートカットの彼女は初々しくかわいかった。

最近彼女を観たのは、「コンフィデンスマンJPロマンス編」だった。楽しんで演技しているように見えた。

好きな作品は中村義洋監督作品「残穢（ざんえ）」である。主人公の「私」を演じる。心霊現象の理由を探っていくもので、ホラーでありつつ推理的要素が強い。「リング」も同様だった。私はそんな探求ホラーが好きである。

さて、「サイドカーに犬」の少女はその後、学生にして映画監督になったことで話題となった。彼女が映画の世界で生きることになるその発端が、この映画のヨーコのすごい頭突きなのかななどど考えると楽しい。ヨーコは自由で、でも「すきになったものを嫌いになるのは難しいね」というほど愛には一途なのである。彼女が少女に教えた、コーラの味や自転車の乗り方、清志郎の歌や「亀の手」の味は、少女同様に映画を観るものにも強い印象を残していくのだ。

竹内結子の突然の死は大きな衝撃である。残念でならないです。冥福をお祈りします。