お昼のBSシネマ。過去に観たことがありますが、映画は観るたびに新しい。アンソニー・クインの男としての生き方のかっこよさ!
結論
見始めたら抜け出せない。男と女の変形「七人の侍」。出色のアンソニー・クインの演技に惚れ惚れ。必見の戦争サスペンス。
概要・あらすじ
『ナバロンの要塞』は、1957年にイギリスの作家アリステア・マクリーンが発表した小説で、1961年に映画化されました。第二次世界大戦を題材にした冒険小説・戦争小説で、小説と映画ともに評判を呼びました。
グレゴリー・ペック、デヴィッド・ニヴン、アンソニー・クイン、スタンリー・ベーカー、イレーネ・パパス、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティスなどが出演しています。
映画は、1962年の第34回アカデミー賞の特殊効果賞、第19回ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)を受賞しました。また、音楽担当のディミトリー・ティオムキンは同ゴールデングローブ賞の音楽賞を受賞しています。
生成AI
第二次世界大戦中の1943年、エーゲ海に浮かぶナバロン島に造られたドイツ軍の要塞を爆破するため、連合軍から特別部隊が招集されます。部隊は海からナバロン島の絶壁を登る作戦を決行し、要塞に突入します。
同上
感想
2時間半の長い作品であり、過去に観ているものの、一度観始めると最後まで一気に観てしまいました。
グレゴリー・ペック、デビッド・ニーブン、アンソニー・クインのトライアングルに若者と女性が2人という変形的な「七人の侍」状態のバランスよさ。
内部にスパイがいる緊張感。スパイ発覚後、グレゴリー・ペックは甘いマスクと裏腹に、冷徹に射殺するあたり意外性も十分です。
クライマックスの砲台破壊のサスペンスはすばらしく、仕掛けた起爆装置が寸前で止まるじらしをくり返しながら連合艦隊駆逐艦の縦列は守られるのか?というハラハラを煽っていきます。
夜の要塞に吹き上がる炎の特撮も見事です。
ドイツ軍は十把一絡げに悪人に描写するので無く、残忍なSS、通常の兵士、敵兵であっても治療しようとする医師など階層をきちんと描き分けています。
出色は終盤近くのアンソニー・クインの演技で、卑屈に助けを請う偽の演技やその後の透徹した兵士としての働きのかっこよさが印象に残ります。愛を告白され、それを引き受けて人生の舵をすっと切り替えるあたりの自由さも憧れるところです。
クインに愛を告白するのはギリシャのレジスタンスの女性ですが、そのシチュエーションが独特。彼女は車を運転しており、しかも彼女とクインのあいだにグレゴリー・ペックが座っている状態での「あんたが好き」の素朴な告白。気持ちの発露の強靱さを思い知ります。
何度観てもおもしろい戦争活劇の名作です。ぜひ御覧ください。
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