クリント・イーストウッド監督作品「ミスティック・リバー」ショーン・ペン、ティム・ロビンス俳優陣の演技合戦 究極のリアリズムが映画の魅力を放つ

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結論

主役3人が自主的に徹底した読み合わせなどの研究を行ったその演技は、驚愕のリアリズムを現出している。アメリカン・シェイクスピアを標榜する究極の悲劇は、イーストウッド監督の数ある作品の中でも必見の名作。

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概要・あらすじ

ミスティック・リバー』(Mystic River)は、2003年アメリカ合衆国の映画クリント・イーストウッド監督・製作・音楽。アメリカ合衆国作家デニス・ルヘイン作の同名のミステリー小説(日本語版はハヤカワ文庫)を原作としている。題名はマサチューセッツ州を流れる実在の川である。

wikiより引用

ボストン近郊の小さな町。幼なじみのジミー、ショーン、デイブの3人の少年は、デイブが見知らぬ男に誘拐・監禁され性的暴行を受けた事件をきっかけに、次第に疎遠になっていった。事件から25年が経ったある日、ジミーの愛娘が遺体となって発見される。刑事となったショーンは捜査に乗り出すが、やがて捜査線上にデイブの存在が浮上する。

ネットより引用
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感想

ボストンの雰囲気を映像にしたかったというイーストウッド監督の思いは成功していると思います。

冒頭の白茶けた色合いの回想シーンに映る町並み、ホッケーのボールが落ちる下水口、石畳みの道などアメリカ北部の入植地の空気感を感じさせます。

ラヴクラフトの小説に出てくるウエット感は薄く、乾いた感じは白茶けた色合いのせいでしょうか。

少年達が大人になってからは、夜のシーンばかりが心に残ります。実存の川である「ミスティックリバー」も夜のシーンが思い出されます。

監督はこの映画を一言で言うと何?との質問に「悲劇、アメリカン・シェイクスピアかな」と答えています。ティム・ロビンス演じるデイブに起こる少年時代の悲劇は大人になっても続いていき、おどおどとした毎日、ついには妻の告げ口から、ジミーに殺されてしまう。

少年時代のことから多少の負い目のあるジミーだが、自分の娘の惨殺の前では、確たる証拠もないのにデイブに自白を強要してしまう。

犯人が別人と分かったときのジミーの悔恨は想像を絶するものです。

この暗い悲劇を、主役の3人のアンサンブルで見せていく映画ですが、ティム・ロビンスの発言で「どのカットもテイク1か2で取り終えた」とあります。驚くべきことですが、これは3人が主体的に脚本の読み合わせを行って実現したものと監督は振り返っています。

「彼らは脚本を手にすると、3人で集まって脚本を繰り返し読み、徹底的に研究をした。私は準備に没頭していたので、彼らは自分たちだけで脚本の読み合わせや研究をした。多くの俳優はそんなことはしない。脚本に対して自分の役の部分、自分に関係がある部分しか気にしない。今回は彼ら3人にとって、仲間意識を育て、お互いに対する賞賛の気持ちを実証するよい機会となった。」

監督のインタビューより

この主体性を生み出したのは、脚本のすばらしさにあるのではないかと推察します。また、3人の関係性、つまりショーン・ペンとケビン・ベーコンは舞台共演の仲であり、ペンとロビンスは「デッドマンウォーキング」の監督と役者の関係ということもあったのでしょう。

クリント・イーストウッド監督

俳優としてのイーストウッドのエピソードは長大です。ここでは、監督業としての彼について記していこうと思います。

監督デビュー作は「恐怖のメロディ」1971年(Play Misty for Me)。ジャズの名曲「Misty」を毎夜リクエストする女が、DJ(イーストウッド)にストーカー行為をエスカレートさせていくという、当時ストーカー行為自体が浸透していなかった時代に画期的な恐怖を描いています。

この映画の中では、ロバータ・フラックの歌う「愛は面影の中に」がとても印象的で忘れられない名曲です。ダーティ・ハリーシリーズの盟友ドン・シーゲル監督がカメオ出演していますね。

「許されざる者」(1992年)は、師匠のセルジオ・レオーネとドン・シーゲルに捧げた西部劇。ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリスなど豪華キャストです。

アカデミー賞を4部門受賞した名作。昔見たけど完全に忘れていますね。見直したいです。

イーストウッドは、俳優をしながら監督への意欲を早くからもっていたようです。セルジオ・レオーネ監督との「荒野三部作」の後、「ダーティーハリー」で大ブレイクするのが1971年。その時には、自らの映画製作会社をもち、メガホンを取る時期を見ていたようです。

現在まで38作を監督しています。多作といっていいかと思います。作品の質は様々ですが、映画作りに生涯をかけている姿勢に感動します。御年93歳です!

samon
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好きなことに生涯取り組む、これが長生きの秘訣なのかもしれません。監督にはもう2作も3作も作ってほしい。過去作も少しずつ見てみたいです。プライムビデオで結構な数見れるようです。サブスクのありがたさを感じます。監督作品の中でも名作の「ミスティック・リバー」はぜひご覧ください。

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