ギヨーム・ミュッソ著「アンジェリック」絡み合った血とかかわり

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samon
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フランスで最も売れる作家の最新作。私は初めて読みます。

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結論

多くの登場人物達の驚きの関係性にあ然。サクサク読める文章でフランスの空気を感じる

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概要・あらすじ

コロナ禍のパリ、元トップ・バレエダンサーの不可解な転落死――
遺された娘×元刑事が真相に挑む!

パリ・オペラ座バレエ団の元トップダンサー、ステラ・ぺトレンコが6階の自宅アパルトマンから転落した。
母ステラの死に疑念を抱く17歳の医学生ルイーズは、元刑事タイユフェールに調査協力を依頼。
やがてステラの上階に住む画家も同時期に病死していたことが判明し……。
事件性はないと思われた二つの死。
だが、その陰にはコロナ禍に乗じた恐るべき計略が!?
フランスの大ベストセラーミステリー。

ネットより引用

ギヨーム・ミュッソは、フランスの小説家。 2作目の『Et après』が本国で100万部以上の大ヒットを記録し一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たした。以降毎年話題作を発表し、これまでに刊行した作品は46の言語に翻訳され、その総売上は3500万部を超える。現在フランスでもっとも売れている作家である。

wikiより引用

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感想

17歳の飛び級医学生の美少女ルイーズが病室でチェロを奏でる冒頭シーンから驚かされとともに魅惑的です。病室に寝ている元刑事マティアスが「ジャクリーヌ・デュ・プレを演じるより他にやることがあるだろう」言うと、「ジャクリーヌ・デュ・プレって誰ですか」とルイーズ。

現代フランスの若者はチェロを弾く彼女であってももはやデュ・プレを知らないのですね。本の中では括弧書きで脚注が付けてあります。ルイーズの若さを読者に印象づける一文かも知れませんね。

この括弧付き脚注は本書の特徴でもあります。フランスの様々な文化・地理など知らない事が多いのだと感じます。それらを知ることができる知識書でもあります。

章立ては3人のメインの登場人物名となっています。ルイーズと題名でもあるアンジェリック、そして元刑事のマティアス。マティアスは本の中では姓のタイユフェールと表記されていきます。最終章は「断章」として短い事象のフレーズがぽつぽつと置かれて幕を閉じます。

重要人物として、ルイーズの母ステラやステラのフラットの上に住む画家、その両親のイタリアのハイブランドオーナー、タイユフェールの愛した女、彼女の夫そして夫の心臓など多くの人物が登場しますが、どの人物も活き活きと描かれ読者の記憶にすっと入ってきて忘れられません。

これらの多くの人物達があっという驚きの関係性をもつのが本書の一番のおもしろさです。ちょっとできすぎという感もしないではないですが。

もう一つ驚いたのが、ハイブランドオーナーが属する陰謀論的謀略機関の存在。世界観の広がりの幅が大きい。フランスのアパートで起こる小さな死というミクロから、世界を包む陰謀論のマクロまでその風呂敷の広げ方がすごいと思いました。

samon
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文章は明瞭で読みやすくサクサクとページが進みます。正月休みにでも読んで、フランスの空気を文章から感じてみてください。オススメ!

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