オーベル=シュル=オワーズの風景

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「レンブラントを取り返せ」でジェフリー・アーチャーの明るい文体に惹かれました。そこで、同氏の短編集「嘘ばっかり」を読み始めた。百文字に起承転結を成立させた「唯一無二」に始まり、アイディアにほれ込んで、この短編集に付け加わった「最後の懺悔」(これは自身が戯曲にもしている)、3番目の短編が「オーベル=シュル=オワーズの風景」だ。読み進めるにつれ、あれと思う。若い巡査の初めての活躍。彼は美術史を修めており、父親は著名な弁護士。大卒でスピード昇進できるのにその道を選ばなかった。そう、「レンブラント・・・」の主人公ウィリアム・ウォーウィックそのものなのだ。ラストで誰も気づかなかったセザンヌの絵で、初めての逮捕を手にする。「レンブラント・・・」の原型がここにはっきり登場しているのだ。ちなみに上梓年を調べてみると、「嘘ばっかり」2017年、「レンブラントを取り返せ」2019年で、割に近かったね。

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