
3週目だが、字幕版は一番小さな小屋
結論
テクノロジーの発達は現実が原作を追い越したみたい。グレン・パウエルの明るいキャラを活かすためかラストの悲惨さがデフォルメされて肩すかし
概要・あらすじ
原作は、「イカゲーム」や「今際の国のアリス」など、日本でも大人気のデスゲームジャンルの
始まりとなったスティーヴン・キング(『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』)の伝説的小説。
監督を務めるのは、唯一無二の選曲センスとスタイリッシュな映像美で知られる
エドガー・ライト(『ベイビードライバー』)。主演は、『トップガン マーヴェリック』ハングマン役で、
トム・クルーズとの師弟関係も話題となったグレン・パウエルが務める。公式HPより引用
職を失い、娘の治療費に困るベンは、巨額の賞金が得られるという
リアリティショー「ランニング・マン」に参加する。
しかしその実態は、殺人ハンターの追跡に加え、全視聴者すら敵になる、
捕まれば即死の30日間の”鬼ごっこ”、生存者ゼロの究極のデスゲームだった。同上
感想
月曜16:10の回ですが、10人足らずか。3週目にして、IMAXは終了していました。これはIMAXで観たかった。全体に暗いシーンが多く、背面投影プロジェクター臭さがある若干ぼんやり画像。
冒頭子どもを連れて会社を訪れ再雇用を頼むシーンで、主人公の性格・人柄が提示される。自分のことより仲間を助ける。荒っぽいが真っ直ぐな心根。
途方にくれて町を歩くシーンで、未来の町が描かれますが、ブレードランナーのような新しさがなく、高層ビルが数本建ち、高速のモノレールが走るのが一瞬見える。わりに平凡な未来の姿は残念と同時にリアルさも感じさせます。
妻から「ランニングマン」にだけは参加するなと懇願されていたので、当初は断るベンですが、番組プロデューサーの懇願に負けます。人は他人に期待されることに弱いようです。
ランニングマン出場の残りの2人のうち1人は、ベンに助けてもらった若者。崖を登るテストで落下するところをベンに片手で身体を支えられて助かる。おやどこかで観たことが・・・。そう「イカゲーム」の「だるまさんがころんだ」ゲームで主人公がパキスタンの青年に助けられるシーンを想起させました。主客は逆ですけど。
ベンに助けられた彼は、ランニングマンがスタートしてすぐに自己顕示欲のためにすぐに居場所が知られ殺されてしまう。その事実をベンは淡々とした表情で観ているが、これまで彼はこのようなことが多くあったのではないか?救った人物に裏切られるというようなことが。それでも助けてしまうのがベン・リチャーズという男。

さて本作の原作はスティーブン・キングのリチャード・バックマン名義による1982年の小説です。1987年にシュワルツネッガー主演で「バトル・ランナー」として映画化されたので、今回は2度目の映画化と言うことになります。
管理社会の中で人々は無料のTV漬けにされているという設定で、誰もがTVのデスゲームに夢中なのですが、ネットが発展して番組が多種多様になった現代からすれば、同じ番組に誰もが熱中しているという設定はもはや古い気もします。
また逃走の条件に録画したテープを封書でポスト投函して送るというのも、ネット上でメールや動画が簡単に送れるようになった今からすればこれまた古い。投函したポストの上部がドローンで飛んで行くにはおもしろかったですが。
ベンが選んだ逃走は、まず変装して潜むこと。そのために友人の偽造屋を訪ねます。この偽造屋どこかで見たことがある。コーエン兄弟の名作「ファーゴ」でかわいそうな主人公を演じたウィリアムHメイシーですね。懐かしい。年取りました。でも相変わらずの童顔はすぐ誰か分かりますね。
デスゲームに夢中の大衆は「ベンを殺せ」と彼がいつ死ぬのかを期待して待つわけですが、管理社会にレジスタンスしている人々もおり、ベンは彼らの援助を受けていくことになります。

このように最新SFでありながら、物語の内容は古めかしいものとなっています。エドガー・ライトが原作に忠実に映画化したということでしょうか。
本作の脚本はエドガー・ライト監督本人と共同脚本にマイケル・バコールという人が付いており彼はは、ライト監督とは『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』でもタッグを組んでいます。この作品は未見ですが、題名からしておバカな感じが漂っていますね。
ベンを匿うレジスタンスの男には同居している老母がおり、彼女はランニングマンに夢中。レジスタンスの息子とは違う世界を生きています。彼女の怪演は印象的でした。レジスタンスの男にも介護すべき母親がいるおり、その母親は体制に毒されているという皮肉な現実を感じます。
ランニングマン制作側が逃げるベン達の居場所を特定する方策として、前述の投函ポストがありますが、もう一つ町の中に設置された遺伝子関知の装置ががあります。映画の終わりの方で荒野の中の道路に設置されているこれが発動するシーンがありますが、こんなのあったらすぐに見つかってしまう不公平装置です。
さてベンととともにランニングマン出演が決まった女がおり、彼女はカジノで遊びまくるという露出型出演者。すぐに場所は特定され、ハンターがやってきますがこれを自力ではねのけていく武闘派ランニングマンです。ところがその最期は子どもにやられるという悲惨さ。

ベンは富裕層のアメリアの車を停めて逃走を図り、彼女がランニングマンに巻き込まれます。最後になって魅力的なキャラが参画。ベンとアメリアはステルス戦闘機の形態の飛行機に乗り込みいよいよラストのクライマックスに入っていきます。

この飛行機ごとランニングマンを製作し多くの人間が楽しんでいるビルに突入しようとするわけですが、この結末はyoutubeのような動画で解説する形をとるので、観るものは肩すかしを食らった感じとなります。事実がどうなったのかをぼかした形にしたのは、グレン・パウエルの明るく希望に満ちたキャラクターを壊したくなかったのでしょうか?

テクノロジーの進化が古くさく、現出しているディストピアもどこかでみたことがあるような感じ。正直ちょっと物足らない感は否めません。原作に忠実だったのかも。久しぶり原作読んでみようかな。図書館にリクエストかけました。

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