アリ・アスター監督作品「ボーは恐れている」3時間引きずり回される地獄めぐり

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「ヘリデタリー」「ミッドサマー」の鬼才アリ・アスターの新作。ユナイテッドシネマ長崎6番スクリーン14:00の回に行ってきました。公開2週目ですでに小さな部屋に移動してました。やはり観たい映画は公開週に行くべきですね。

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結論

前半は映像でぐいぐい見せていく。しかも笑える。後半母親の長い台詞など辟易。映画からわかりやすさを排除する監督の実験をおもしろがれるかどうかが評価のポイントか。

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概要・あらすじ

映画『ボーはおそれている』は、2023年に制作されたアメリカ合衆国のホラー・コメディ映画です。アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスがタッグを組み、ささいなことでも怖がる主人公ボーが怪死した母の元へ帰省するが、妄想か現実かわからない壮大な旅に巻き込まれていく様子を描いています。

主人公ボー・ワッサーマン(ホアキン・フェニックス)は、治安が悪いアメリカの街の集合住宅に住んでいて、いつも不安な思いを抱えて生活しています。そんなボーが、父の命日に実家へと里帰りするため、旅支度をして空港へ向かおうとします。

母親の突然の訃報を受けて、帰省しようとする怖がりの男性が、玄関を開けた途端に日常とかけ離れた不可思議な世界で冒険を繰り広げていきます。次々に奇妙で予想外の出来事が起こる里帰りの道のりは、いつしかボーと世界を徹底的にのみこむ壮大な物語へと変貌していきます。

生成AI
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感想

アリ・アスターはインタビューの中で次のように話します。

「この映画は、期待される筋書きと構成通りに沿ってすべてが進むような、ハリウッドの伝統的な物語手法によって機能していません。筋書きがあるようでないのです。それに、今回は章の間に20〜30分ほどの間奏のようなパートがあります。それを一部の観客が拒絶するであろうことは初めからわかっていました。観客の期待を満たさないか、あるいは観客を疎外する、あるいは失望させるようなかたちで満足させる。実験的な要素は、観る人によって好き嫌いがあるでしょう。しかしそれこそが、わたしが映画のなかで追求している遊びの本質なのです」

ネットより引用

ハリウッド的な「わかりやすさ(なぜかの理由があること)」を意図的に廃除したということです。

エンディングで観客は「おきざり」にされて、沈黙するしかありませんでした。エンディングの映像がそのままにいつまでも音楽も無く続き、エンドタイトルが重なってきます。私たちは居心地悪く座っているしかありません。なぜあの結末なのか、その理由はないということ。

これをおもしろがれるか、金返せとなるかはその人次第。私の場合凡人ゆえ、「何???」とはてなマークで頭をいっぱいにして、劇場が明るくなるまで座っているだけでした

後ろの席の若いカップルの男性が、思わず「何を見せられたんだ」、女性が「いやーなもの見たという感じ」とつぶやいていました。まさにそのとおりで、アリ・アスターの実験は観客をそんな状態におくことなのでしょうか。

でも、前半はホラーコメディとして面白く、何度も笑いました。セリフは少なく、映像でみせていきます。これも監督の手腕。

ところが後半の特にボーの母親のセリフがこれでもかと長い。これも居心地悪さを作る演出なのでしょうか。

アリ・アスター監督

アリ・アスター(Ari Aster)は、1986年生まれのアメリカ人映画監督、脚本家です。2011年頃から短編映画を発表し始め、2018年に長編監督デビュー作『ヘレディタリー/継承』を発表しました。この作品はサンダンス映画祭で高く評価され、劇場上映されるとスマッシュヒットとなりました。2019年には長編第2作『ミッドサマー』を発表し、世界各国で好評を博しました。

アリ・アスターは「人を不安にさせる天才」とも称され、トラウマ作品を連発しています。2024年2月16日に約3時間の大作『ボーはおそれている』を公開しており、現在ホアキン・フェニックスを主演に迎えた最新作の製作が進んでいます。

生成AI
samon
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観賞から1週間足らずですが、地獄めぐりの笑いとラストシーンの居心地悪さは脳裏から離れません。なおかつ「嫌いな映画」とならない。アリ・アスターの手腕を高く評価します。

コメント

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