アマゾンプライムの毒母監禁スリラー「Run.」を観る エンディングの娘の復讐に震えるぞ

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samon
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90分の短い尺で観やすく、登場人物はほとんど母と子。この舞台劇のような設定でありながら、映画の特性を活かした作品でした。娘のタフさと母親の狂気を感じられる佳作だと思います。

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あらすじ

郊外の一軒家に暮らすシングルマザーのダイアンと娘のクロエ。生まれつき体が弱く、車椅子生活を余儀なくされていたクロエをダイアンは溺愛し、献身的に世話してきた。一方、大学進学を望み、自立に向かおうとするクロエ。そんな中、健康管理に気をつかい将来の夢を応援してくれる母親にふと不信感を抱いたクロエは、ある恐ろしい事実に気づいてしまう。

ネットより引用
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母の狂気

自分のお腹を痛めた子供を失うという出来事が、母を狂わせたのでしょうか?本作は、母の狂気が物語の原因となっています。その狂気はしかしエゴそのものです。子供を失ったから、他から奪う。その子供が自分から離れられないように、子供の自由を物理的に奪っていく。すべては自分のために行っているこの母親はやはり、毒母の極みです。

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アクション

歩くことができないクロエの根性のアクションがすごい。ドアにつっかえ棒をされた彼女が部屋から出るためにとった方法は、窓から出て腕の力で屋根を移動。隣の部屋のガラスを割って再び家に入ると言う方法を取ります。屋根から滑り落ちれば、大けがは間違いなし。それを断行するクロエの根性に感心します。

しかも、隣の部屋の窓を効率的にきれいに割らなければならないと判断したクロエがとった方法がすごいのです。理系の彼女ゆえの発想です。どうやったと思います?道具は口に含んだ水と半田ごてです。ぜひ本編を観て驚いてください。この一連の描写により、根性だけでなく、聡明な理系の頭脳をもっていることがわかります。

つっかえ棒を外したクロエは、車いすに乗り、階段に設置してある降下エレベーターを降りようとしますが、電源がコンセントごと外されています。毒母もかなり知恵がまわります。逆に降下エレベーターが階段をふさいで、降りることだできません。そこでとったクロエの行動は・・・。本編をお楽しみに。

このような知恵と勇気のアクションは本作の大きな魅力ですね。

ロケーション

冒頭にもつぶやいたとおり、本作は登場人物が母と子の演劇のような設定でありながら、映画の特性を活かした演出が、息が詰まるような内容に、少しの風を吹き入れてくれています。

親子は町に映画を観に出かけます。移動する車を鳥瞰するように、上空からの映像で追いかけます。道路は狭く、道路の両脇は深い森のようです。

町でもスリリングなシーンが用意されています。映画の途中でトイレに行くといって、薬局に車いすで駆けつけます。母が渡したカプセルの薬の正体を知るためです。薬剤師の所に行こうとすると、なんと長蛇の列。さて、クロエはどうするのか。

この映画は監禁スリラーながら、何度か自然深い外にカメラが出ていきます。これらのシーンによって、演劇で実現しにくい舞台の広がり、世界の広がりが感じられるところがなかなかいいですね。

父の影

本作の特徴的なこととして、父親の姿や影が一切排除されていることです。父親の支援は一切受けないことを決めて、母や子供を産むことを決断したのではないでしょうか。子供がいればこの先も生きていけると考えたのかもしれません。ところが、その子が死んでしまった。たった一つの希望がついえたときに、母は狂気に飲み込まれたのではないかと考えると、この毒母も少しかわいそうにはなってきますね。

復讐

しかし、映画はそんな母には同情すること亡く、クロエのめちゃくちゃにされた人生の方によりそうようです。本作の最大の恐ろしい点、クロエの復讐が最後のエンディングで示唆されて映画は終わります。さて、どんな復讐をするのでしょうか。ぜひ本編を御覧になって怖がってくださいね。

samon
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90分の短い尺、シンプルなつくりゆえに、その裏に隠された原因やこれまでのこの親子の人生など、観る者が想像する部分の余白を作ってある良作であると思います。ぜひ、アマゾンプライムにて御覧ください。そして自分の子供をあらためて見つめると、自分の本当の子供にこんなことはできないなあと自分の良心を確認してみてください。

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