アクロス福岡30周年記念演奏会 安永徹氏のボーイングについ目がすいこまれてしまう

Classic
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samon
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昭和の日。無料の招待コンサートに行ってきました。会場は満席。でも、15列の中央という最高の座席で聴くことができました。

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結論

安永徹氏の統率力が圧巻。明確な合図をともなった弓使いに視線はいつのまにかコンサートマスターに。

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概要

アクロス福岡は「国際・文化・情報の交流拠点施設」として1995年4月29日に開館し、本日満30年の誕生日を迎えました。

本日の公演は、建設当時に福岡シンフォニーホールの音響や舞台設備でいろいろアドバイスをいただいたヴァイオリニストの安永徹さんとアクロス福岡のピアノの選定者でもあるピアニストの市野あゆみさん、福岡県出身でヨーロッパで活躍される気鋭のピアニストの仁田原祐さんをお迎えし、地元の九州交響楽団と共に行う「祝祭コンサート」です。

プログラムより引用

プログラム
モーツアルト/2台のピアノのための協奏曲 変ホ短調K.366
ウォーロック/カブリオール組曲
シューベルト/交響曲第3番 ニ長調D200

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感想

舞台中央に異様に長い黒いピアノの筐体が横たわっています。モーツアルトの協奏曲のための配置です。ピアノの高い音の部分(右側)がたがいにかみ合うように配置されているので、2台のピアノが一体化して超長いピアノに見えたわけです。

アクロス福岡オープンして30周年を記念する4月29日に、1800名を無料招待してのコンサートです。申し込み初日にネットアクセスして無事ゲットできました。本番当日は満席。開場(2時)の1時間前に到着しましたが、すでに100人程度は並んでらっしゃいました。

今から並ぶのもなあと思って、隣の隣の新しくオープンした「ワン フクオカ ビル」の中古レコード店に行きました。

40分後ぐらいに戻ってみると、建物内の行列はなんと建物から外に出て長く長く連なっていました。おやおやこれではいい席に座れないかなと危惧するものの仕方がありません。最後尾に並びました。外では祝日のイベントが行われて、子どもたちのダンスなどが披露されてました。

開場15分前に列が動き始めました。早めに入場させるようです。粋な計らいですね。まあお祝いのコンサートですからね。入場口は4カ所くらいあって、どんどんはけていきます。ホール内に入るとかなり席は埋まっていますが、まだまだ空席はぽつぽつとあります。

こんなとき1人はいいですね。15列目の中央に腰を据えることができました。最高の席ですよ。

さあ始まります。指揮者はなし。コンサートマスターの安永徹氏の合図で音楽が進んでいきます。

ピアノ協奏曲は市野あゆみ氏の女性らしい柔かで美しい音色と仁田原祐氏の力強いタッチの対比がいい感じです。

多くの演奏家が演奏しているのですが、不思議に私の目は安永徹氏の弓に吸い込まれていきます。氏の弓使いは多少荒っぽいほどに大きくたたきつけるように弦に落とします。しかしこれにより合図がとても明確に全体に伝わると思われます。そのための意図的な行為なのだと理解します。

他の奏者の弓使いがなめらかで穏やかなので、むしろのっぺりとして魅力に欠けるように思われてしまうのが不思議です。気づくと視線はコンサートマスターに引きつけられてしまうのです。

休憩後はウォーロックという作曲家の「カプリオール組曲」という初めて聴く弦楽合奏の曲です。作曲家名も聞いたことがありません。1930年まで生きた人です。でもとてもおもしろい曲でした。

ルネッサンスぽかったり、ケルト風の旋律もありながら、一部に近代的な和音が耳に残ったりします。ここでも圧倒的な安永氏の統率力が光ります。もう音楽のすべてを手中に収めているようです。

メインプログラムはシューベルトの交響曲第3番ニ長調D200。私は冗長な気がするシューベルトの音楽が苦手で、このシンフォニーも初めて聴くものです。シューベルト18歳の本作はホームコンサート用に作曲されたらしく、最もコンパクトな一曲。ちょっとほっとします。

2管編成の曲ですが、今日のコンサートでは一番規模が大きい。合図を隅々に行き渡らせるコンサートマスターの役割はより重要となります。それに加えて、この曲はパウゼ(一時停止)の後に管楽器が出てくる部分が結構あり、そこでは管楽器の主体性がよく出ていたと思います。

若きシューベルトの情熱ほとばしる曲を安永氏の統率で九響のメンバーが一体となって演奏され、心に残るものとなりました。また、シューベルトへの食わず嫌いも見直さねばならないと反省させられました。

アンコールの話。前後しますが2台のピアノでのソリストアンコールもありました。ラフマニノフの「2台のピアノの為の組曲第2番」よりⅠ.Introdaction(序奏)。ラフマニノフが神経衰弱の病を克服して、名作ピアノ協奏曲第2番と並行して作曲されたもので、その充実度はすばらしい。モーツアルトをしのぐ印象の深さでした。

オーケストラアンコールはレーガーの「抒情的アンダンテ『愛の夢』」という弦楽合奏曲。初めに安永氏が「私は弦楽器奏者なので、弦楽器の曲を選びました」と朴訥に語られました。初めて聴く曲ですがコンサートの締めくくりにしっとりと弦楽器の美しさを感じさせてもらえました。

samon
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無料招待の大盤振る舞いの記念コンサート。交通費はかかりましたが、行って良かったと思います。また一つ思い出が増えました。ありがとう。さあ5月はアルゲリッチ音楽祭で大分遠征です。これまた非常に楽しみ。キャンプもする予定。

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