やっと観れた「28年後...」歩くロードムービー1幕の緊迫感は出色 そして意外な展開

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samon
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ずっとナイトショーだったのが、朝一上映。8:55の回はおじさん3人

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結論

前半の緊張感、後半の意外な展開。イギリスの美しい自然の中のディストピアを堪能できる一作

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概要・あらすじ

監督と脚本家が描きたかったのは<現実に起こり得るパンデミックの恐怖>。
超自然的な生き返った死体<ゾンビ>ではなく、ウイルスに感染して凶暴化した<生きる人間>たちの物語。
2人の天才クリエイターが、徹底したリアリティと臨場感を追求し
<感染者>と<人間たち>の命がけのサバイバルをスクリーンに映し出す!

公式HPより引用

感染を逃れたわずかな<人間たち>は、ウイルスが蔓延した本土から離れ、孤島に身を潜めている。
対岸の本土にいる感染者から身を守るため、島の人々は見張り台を建て、武器を備え、コミュニティの中の厳しいルールに従って“安全に”生活している。そこに暮らす家族が、ある任務を実行するために島を出て本土に向かおうとしている。父親のジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と息子のスパイク(アルフィー・ウィリアムズ)だ。
「その子にはまだ早い」と言う人々の忠告に対し、ジェイミーは「大丈夫だ」と島民を説得し、2人は頑丈な門の外に出る。本土と島をつなぐのは一本の土手道だけ。そして、島を離れて本土に行けば、誰も救助には来ない——。
美しく、緑豊かな大自然が広がる本土だが、感染者はどこに潜んでいるか分からない。弓矢を構えて森を抜ける2人の前に、変わり果てた姿の<感染者たち>が現れる。
人間の頭蓋骨が積み上げられた塔。人間が、人間ではなくなっている世界——。そんな世界で2人は、驚くべきことに感染を逃れて生きている人間=ケルソン先生(レイフ・ファインズ)に出会う。 彼は語る「感染者は進化している、もう別物だ。」と。

公式HPより引用

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感想

12歳のスパイクが父と本土に渡り、初めての感染者狩りをする第1幕が異様な緊張感に満ちていてすばらしい完成度です。イギリスの森、草原、廃墟まで美しいディストピアが映像化されています。

干潮時に土手道が本土とつながるホリー島は現存し、名前もそのまま。この現れたり消えたりする土手道が強力なサスペンスを形作ります。ものすごい速さで追ってくるアルファとの競争は、映画の中でも最高の緊張感だったと思います。大きな矢で倒したアルファは死んだのかな。その後登場するアルファは別個体?

「最後の決闘裁判」ですばらしい魅力を見せてくれたジョディー・カマーが後半大きな役割をはたします。前半で夫への異常な詰め寄り方は戦慄すら感じます。いわば変な女として登場した彼女が旅を通して大きく変化していくのも映画の大切な柱になっています。

彼女を突き動かすエネルギーは、原初的な女という生物の本能です。地を這うスロー感染者から子を守る凶暴性。危険を顧みず感染者の出産を助ける協調性。それらの本能に導かれて行動する部分に加えて、病気のために混乱し子どもに戻る瞬間が何度も描かれます。そんな複雑な人物像が彼女をとても魅力的にしています。

そしてもう病気が治らないと知ったときの静かな諦観とその後の選択は、すべてが清らかになった女として描かれていきます。

スパイクの旅の目的となり、後半部分の中心人物となるのがレイフ・ファインズ演じるドクター・ケルソン。多くの感染者の死体を清め、白骨化してそれでモニュメントをつくることを続けている不思議な人物です。死を受け入れていく独自の「メメント・モリ」理論を展開し、スパイクの成長に影響を与えていきます。

スパイクはケルソンに出会ったからこそ、父のように島で群れて暮らさずとも、たった一人でもこのディストピアを生きていける勇気をもったようにも思えます。常に死を受け入れる準備があれば、怖いものはもう何もなくなるのではないでしょうか。「生きる」という人間の本能を乗り越えた思想をスパイクはケルソンから学んだと考えます。

ケルソンの骨の集積物は「ボーンテンプル」と呼ばれています。これは三部作の第2作「28年後...ボーンテンプル」の副題になっていることから、ケルソンとこの地が第2作でも重要な意味をもつ展開となることが予想されます。

映画冒頭のジミー少年を襲う災厄。災厄に抗わない父親(神父)とそうでない息子ジミー。映画前半で初めての狩りの際に、逆さつりの感染者の体に「ジミー」と書かれているので、はっとしますが、冒頭のジミーとは違うようです。その後ジミーが出てくるのは映画の最後のみです。

一人で生きることを選択したスパイクと映画の最後に出会うのが複数のジミーたちです。この出会いのシーンは何か既視感がありました。これは「未来少年コナン」でコナンが「荒れ地」でそこのリーダーであるオーロと出会う場面に似ています。

スパイクがジミーとどのような関係になっていくかが第2作の中心となっていくのかも知れません。

最後に、骨ガリガリの感染者が草原を彷徨うシーンがあり、この感染者が第1作主人公のキリアン・マーフィーではないかと噂がたちましたが、この感染者は物語にまったく絡んできませんでした。よって噂の真相は明らかになりませんでしたね。ガリガリ感染者の意味は第2作で明かされるのかな。

samon
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意外な展開がとても楽しめた作品でした。ヒットして、ぜひ三部作完成を目指して欲しいと思います。こうなると「28週後...」もちょっと気になってきます。

コメント

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