楽しみにしていた独演会。会場は満員。
結論
笑って泣かせて、何から何まで完璧なプロの仕事。満足感しかありません。
立川志の輔
日本の落語家、タレント、司会者。本名:竹内 照雄(たけうち てるお)。富山県新湊市(現:射水市)出身。一般社団法人落語立川流代表。㈱シノフィス所属。出囃子は『梅は咲いたか』。血液型はA型。
大学在学中の落研時代から3代目古今亭志ん朝への憧れが強かったが、国立演芸場での「談志ひとり会」で7代目(自称5代目)立川談志の『芝浜』を観たことが、談志に入門する決め手となった。この時の談志の『芝浜』は、従来の『芝浜』とは異なる作風へと劇的に変化したものだった。
wikiより引用
感想
市民会館文化ホールは満席。ほとんどが年配の方々ですが、若いかたもちらほら。
前座が2名登場する異例のスタートです。志の彦が「転失気」、志のぽんが「強情灸」という古典を聴かせてくれました。
転失気(てんしき)が「おなら」の別の言い方であることを知らない和尚さんは、知ったかぶりをして・・・という私も聴いたことのある有名な落語。「強情灸」は初めて聴きました。アクションがなかなかに迫力ある話です。
さて、いよいよ真打登場。一席目は志の輔が初めて挑んだ創作落語の名作「親の顔」。まくらは少子化から入っていきます。世の中は少子化なのになぜか落語家人口は増えている。そのうち観客は誰もいなくなってこっち側(落語家)だけになるあたり「ドン」とわかせます。
休憩をはさんで二席目は古典の人情噺「八五郎出世」。日本人が無くしつつある、親と子・兄と妹などの家族の愛情が語られます。
二つの話には共通点があり、それは前半主人公が大家に相談に行く点です。困りごとがあったとき、大家さんに相談に行くことは今はないですよね。大家という存在がただの家主でなく、生活全般の世話人的な役割をはたしていたのでしょう。
八五郎あたりは家賃を全然払わないのを公然と言ったりしますから、もはや店子は家族みたいなものだったのかもしれません。
志の輔の名人芸は、登場人物の描きわけが実に自然で見事です。前座の二人との力の差を大きく感じますね。このために前座があったのかもしれない。志の輔は「弟子を育てるため」と言ってましたが。
一度幕が下り、カーテンコールで再び幕が上がって、最後の口上でもどっと笑わせたあと、最後の幕が下りました。時計を見ると、ぴったり21時。2時間30分きっちり楽しませてくれる、まさにプロ中のプロの公演でした。
しばらく落語を聞くことから離れていましたが、再び火が付きそうです。自分でもできたらなあと憧れます。
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