つくみず作「少女終末旅行」

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図書館にて、おもしろいコミックに出会ってます。つくみず作「少女終末旅行」がそれである。二人の少女の何気ない日常が描かれていくのだが、世界が死に絶えた終末の世界をゆっくり進んでいくのが、何気なくないのだ。

そこは地上ではあるようだが、何層にもなった広大な建築物の中であり、少女たちの旅は一番下の基礎の部分から、だんだん上の方に登っていく。

荒い素描のような線で描かれるその終末世界が大変魅力的だ。「影像研に手を出すな!」でもそうであったが、複雑な設定に男子(いや女子もいらっしゃるでしょうが)は萌えてしまう。

ふたり以外誰もいない世界はもの悲しくもあるが、すでに生まれたときからそのような世界だったふたりの会話は、淡々明るく、その世界を受け入れている。雨音がいろいろな物にぶつかって音楽を奏でるエピソードはことのほか美しく、人の心を癒やし満ちさせる音楽の本質を描いてもいる。

時折出会う人間や生き物、機械などで少女たちに波がよせるものの、積極的に世界の秘密を探ろうなどと市内ふたりの旅はすてきだ。

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