大林宣彦監督作品「さびしんぼう」(AmazonPrimeVideo)を観ました。尾美としのりを中心に、少年(といっても高校生だが、この高校生たちのふるまいは、どう見ても小学生だ)の初恋と失恋をセピアの尾道の風景の中で描きながら、富田靖子というアイドルをうまくフィーチャーした、おもしろいバランスの作品と感じた。富田靖子の「さびしんぼう」の面と「橘 百合子」の面、魅力的な二重構造で強く印象づけられる。いや、最後のひろきの子ども役としてのショートカットのセーラー服姿も加えると、3重に富田のかわいらしさ美しさが描かれるアイドル映画と言って良い。おまけで、エンドタイトルのさびしんぼうの衣装と白塗りメークを落としたショートカットの富田の姿もかわいく、4重に楽しめる贅沢な作りになっている。それを脇で固める藤田弓子、小林稔侍、浦辺久米子が素晴らしい。「転校生」メンバーもたくさん出演していて、うれしくなる。そんな大林ファンにはたまらない映画である。おっと、発想のベースにショパンの「別れの曲」があることは言うまでも無い。
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