久し振りに吹奏楽のCDを聴きました。大井剛史指揮/東京佼成ウインドオーケストラ「この地球を神と崇める」という、LIVE録音盤である。この中で藤田玄播作曲「吹奏楽のための天使ミカエルの嘆き」は高校生のころ好きだった曲である。懐かしく当時が蘇ってくる。冒頭に「微分音」という平均律の半音より幅の狭い音で演奏する部分がある。ちょうどチューニングが合っていないとき、ワンワンワンと音がうねるが、それが明確に聞こえて、プロはうまいなあと思う。全体を今聴くと、単純な部分もあるのだが、なんと言っても旋律が美しい。もっとこの神々しい旋律や輝かしいトランペットが響き渡る印象だったが、それは記憶が美化されたものだったのか。意外とあっさり終わる。メインのフサ作曲のアルバム名にもなっている曲の第1楽章は、微分音がもっと盛大で、そのえもいわれぬ世界に引きずり込まれる。録音も素晴らしく、よきディスクだ。
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