TOHOシネマズ長崎7番スクリーン11:35の回で観てきました。観客は総員4名。一番小さい小屋でしたが、その壮大なSF体験は長尺を忘れさせます。
結論
圧倒的な音と映像の迫力に長尺も感じさせない映画体験。ちぐはぐやバランスの悪さもあり。まだ続きそうなエンディングに「おいおい」
概要・あらすじ
2024年3月15日に公開された映画『デューン 砂の惑星PART2』(原題:Dune: Part Two)は、惑星デューンを舞台に繰り広げられる壮大な宇宙戦争を描いたSFアクション映画です。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴで、主人公ポール役のティモシー・シャラメやチャニ役のゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソンら前作キャストに加え、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、レア・セドゥ、らが新たに出演しています。
あらすじは、皇帝の命令で一族とともに惑星デューンへ移住した青年ポールが、砂の惑星への過酷な移住が罠だったことに気づき、アトレイデス家と宇宙を支配しようとするハルコンネン家の間で争いが起きるというもの。父を殺され、すべてを失ったポールは宇宙の未来を懸けた戦いへ向かいます。
生成AI
アニャ・テイラー=ジョイ(期待の「フェリオサ」)はお腹の中の妹アリアの声だけ。
感想
パート1の時にも感じた轟音との遭遇がパート2でも体験できます。今回小さな部屋での鑑賞となったので、この轟音が20%減に感じたのが残念。やはり「封切り後すぐに観に行くべし」の法則は音の面でも同様です。
前半若干の眠気を感じはしたものの、後半の怒濤の展開に圧倒されます。
特に印象深いのは、ハルコンネンの巨大掘削ロボットの足の間に隠れながらの、はばたきヘリコプター撃破のシーンでしょう。ポールのたくましさ、チャニとの関係がぐんと縮まるシーンでもあります。
ポールは、フレメンたちの信頼も勝ち取っていきます。そのポイントが「砂漠の修行」なのでしょうが、さんざおどされる「小さなムカデ」をはじめ「修行」の中身は映像ではすっとばされてしまいます。そんなちぐはぐな面もありました。
レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)はポールの妹を宿し、顔には文字の入れ墨が入り、ますます権力を強めていきますが、その美しさに吸い込まれるようで非常に魅力的です。お腹の妹はしゃべり始めますが、映画の中ではとうとう産まれてきません。まさに異世界感を感じさせます。
ポールの成長は随所で描かれますが、特に独特の声の圧力で「がつん」とジェシカをやりこめる部分で強く感じられます。彼の成長は順調すぎて面白くないくらいです。もっと挫折して強くなれよと感じる。生来的な素質が突出しています。
その半面チャニとの関係ではふにゃふにゃした幼さも感じられ、ここでもちぐはぐの違和感は残ります。
銀色のぴかぴかの宇宙船に乗って現れる皇帝(クリストファー・ウォーケン)はらしからぬ小ささ。皇帝の強大な権力は感じられません。
皇帝の娘イルーラン(フローレンス・ピュー)も「ブラックホール」の諸氏が言うように、何か庶民的な感じのお嬢さん。皇女の近づきがたさは醸せていないですね。この辺のキャスティングの?はあります。らしい俳優女優がいなかったのでしょうか。
はまり役はオースティン・バトラー(「エルヴィス」)演じるフェイド=ラウサ。その変態サイコパスぶりは戦慄もの。デビッド・リンチ版で同役を演じた毛髪のあるスティングと違って、完全なスキンヘッドで血に飢えた狂気ぶりを名演。ラストのポールとの決闘も緊迫感満点でした。死んでしまってもう出てこないのが残念。
サンドワーム乗りにポールが挑む場面はいいですね。砂丘を走って行って、ジャンプ!サンドワームに乗るのはおお事です。何度か登場する一族がみんな乗っているサンドワーム移動ですが、いったいどうやって背中に乗ったのかが疑問ではあります。
ラスト、ポールはイルーランを娶る宣言をし、皇帝に靴をなめさせ、皇帝を継承します。これを帝国は認めず、ポールの帝国への宣戦布告で幕を閉じます。エンディングは、これからというときに終わってしまうパート1と同じです。おいおいですね。
圧倒的な音、映像体験は認めるものの、いつまで続くのか・・・という感じです。この巨大な物語の映像化はドラマのようなスタイルがあっているのかもしれません。とまれパート3ができたらまた観に行くのだろうな。ヴィルヌーブ監督頑張って!
コメント