「DIE WITH ZERO」人生が豊かになりすぎる究極のルール ビル・パーキンス著 読了「人生で一番大切なことは思い出をつくること」

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samon
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読みやすく、短時間で読み切ることができました。なるほどと頷くこともたくさんありました。

節約人生への警告

誰しもお金持ちになりたい。お金を増やしたい。そんな思いがあるでしょう。リベ大両学長の主張も「節約や副業で月5万円を確保し、それを投資に回すことで資産を増やす」というものです。私も学長に同意して、固定費の見直しなど行い、日々の生活もできるだけ節約しています。

そうやって、老後の資金を貯めることは大事だと思います。ところが本書は、過度な節約などによって、人生の喜びを先送りすることに警告を発します。

何人たりとも時間には抗えない。だからこそ、限られた時間の中で幸福を最大化するために行動すべきだ。そしてそのタイミングは「今」である。お金を無駄にするのを恐れ、チャンスを逃しては本末転倒だ。大切なのは、どうすれば幸せになれるかを考え、そのために惜しまずお金を使うことである。そして適切なタイミングで、ふさわしい経験をすることで、人生は豊かになる。老後のために貯金するのも決して悪いことではない。だがそれに固執していては、貴重な時間を浪費しかねない。

本要約サイトより引用

著者は繰り返し言います。「人生で最後に残るのは思い出だけだ」と。

だからこそ、早いうちに様々な経験をすることが重要なのだ。思い出は金融投資と同様、私たちに配当を与えてくれる。その瞬間の喜びだけでなく、あとから振り返ることで、当時の風景や感情を追体験できる。これはかけがえのない宝物だ。そして人生の早い段階で最良の経験を積めば、思い出の配当をより多く得られるのである。

同上

健康寿命と思い出を作る時期

確かに素晴らしい経験をし、それを思い出とすることは重要だとわかります。家族との旅行の思い出や子どもたちと近くの川で夏に泳いだ思い出は忘れられませんし、思い出す旅に顔は緩んできます。これからも楽しい経験を積んでいけたらと思います。

これからもずっと・・・。本書ではこの考え方の危険を教えてくれます。そう、まるで私たちはいつまでも生きるかのように考えています。そこまでいかなくても、いつまでも健康のように考えてしまいませんか?

日本人の寿命は延びて、いまや人生100年時代などと言われます。しかし、健康で良質の経験をできる時間というのは100歳までずっと続くわけではないことを本書は気づかせてくれます。ベッドに寝たきりになっていては、旅行どころか外出もできないのです。スノボやダイビングなんてとんでもありません。

両学長が毎日言う言葉に「今日が人生で一番若い日です」があります。若い日こそが様々な経験を体験できる時です。つまり「今」こそ経験のためにお金を使うべきであると著者は主張します。

私は何とか仕事をリタイアできました。健康寿命がどれくらいかわかりませんが、75歳くらいとすると、あと15年あります。無駄を省いたり、いらないものを買わなかったりと節約も大切にしながら、この15年で、あまりにお金を使うことを躊躇せずに、楽しめる経験をしようかなという考え方を本書は教えてくれました。老後資金に怯えるばかりではいけないことに気づきました。何となく肩が楽になった気がします。

資産切り崩しの時期

これまで頑張って働いて貯めたお金や退職金、そしてインディックス投資などで増やした資産を切り崩す時期はいつでしょうか?老後資金として考えている方も多いでしょう。本書は「45歳から60歳くらいで取り崩し始めるべき」と言います。

最も活動的であり、お金の価値を一番引き出すことのできる時期だからです。年を重ねてくれば、様々な活動や楽しみへの意欲も徐々に減退していきますものね。資産を取り崩すのは最後の最後と考えていた私には新鮮な考え方でした。しかし、残念ながらその時期は過ぎてしまっています。

寄附や子どもたちに残すお金も、老後や死後でなく、今すぐするべきだと本書は述べます。理解はできるのですが、なかなかできないのが現実でしょうか。

タイムバケット

「人生をよりよいものにするには、お金、健康、時間という人生の3大要素のバランスを、いかに取るかが重要になる。」これも本書の要点の一つです。お金・健康を考えながら、やりたいことを実践する時間(いつ)を決めることが大切になります。

そのためのツールとして「タイムバケット」が紹介されています。自分が死ぬまでにやりたいことを書き出し、お金や健康を考慮して、それを5年単位か10年単位の「時間のバケツ」の中に入れていくというものです。これはリベ大の動画でも紹介されていますね。

やりたいことを明確にして、適切なリスクを取りながら実践に向かうことができそうです。目標に向かう意欲も高まりそうです。これはすぐにでもやってみましょう。

DIE WITH ZERO

「どんな金持ちも、あの世にお金は持っていけない。だからこそ死を意識し、「ゼロで死ぬ」を実践すべきだ。」これが本書の主張です。とても刺激的で惹かれる題名です。私たちが頭のどこかで思っていたことを言語化してくれたとも言えます。

私たちが自分の時間を使って稼いだお金を残して死んでいくことは、その使った自分の時間を無駄にしたことになるわけですね。そうならないためにも、本書では、自分の死ぬ時期を想定することを提案します。さらに1年間に必要なお金を算出し、資産ゼロで死ぬために先に述べた資産切り崩しの時期を選定し、後悔の無い充実した経験を積むという主張です。とてもわかりやすいですね。

samon
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私たちが考えていたことを明確に言語化し、その具体的根拠や、ツールもたくさん紹介している本書は、読んで損のない良書であると思います。どれだけ実践できるかは分かりませんが、指針になること間違いないです。ぜひ、手にとって読んでみてください。気が楽になりますよ。

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