いやあ、凄かったです!ジャズの演奏の高揚感を久し振りにひしと感じました。
パーソネル
会場がスペースの関係でドラムスが入れないので、ピアノ・ベース・ホーンの変わった編成のトリオです。
ピアノは小國雅香(おぐにもとか)。長崎在住のプロのジャズピアニスト。
活水高校音楽コース、桐朋学園短期大学部ピアノ科卒業後、ジャズピアノを辛島 文雄氏、板橋 文夫氏に師事。ジャズ理論を佐藤允彦に師事。サポートメンバ-として布施明ツアー、寺尾聡ツアー等への参加、数々のレコーディング、そして自己のグループで関東を中心にライブハウス及びイベント等で の演奏活動を経て、2001年より故郷長崎に拠点を移し、現在は九州を中心に全国で活動中。演奏のみならず、数々のオリジナル曲は人気が高い。
オフィシャルHPより引用
関東でしっかり演奏を積み重ねたプロ中のプロですね。今や長崎の宝に。
ベースは田川 遊人(たがわ ゆうじん)。長崎在住。母校長崎大学の後輩ですね。工学部大学院を卒業されているようです。
ホーンは小笠原由美(おがさわら ゆみ)。大村在住。ご出身は大分だそうだが、ご主人のお仕事の関係で大村に住まれているようです。長崎市や島原でもライブをやられています。フルート、サックス(ソプラノ・アルト・テナー)さらにはボーカルもされるマルチプレーヤーです。
弾けるインプロビゼーション
MCで小國さんが、おもしろいたとえをしました。「ジャズは笑点のように『お題』について、それぞれがおもしろいことを語るもの」というのです。テーマを全員で演奏した後、それぞれのソロでテーマに関してアドリブを聴かせます。そして再び全員でのテーマの演奏となるのがジャズのパターンです。それを「笑点」に例えたところが分かりやすく心に残りました。小國さん自身「分かりやすいでしょ」と言ってました。お茶目です。
さて、演奏ですが、時間オーバーして多くの曲を聴かせてくれました。これは嬉しい。
ピアソラの「リベルタンゴ」をピアノとフルートで。主題が出てくるまでの前奏のピアノが素晴らしいかった。まさに「自由(リベル)」に音が飛翔する感じ。フルートが入って旋律を奏でます。フラッターが入ったりして、音色が多彩です。
ステージ後半は、メロートーンのマスター山口さんのリクエストに応え、コルトレーンが2曲。「わたしのお気に入り」と「ジャイアントステップス」。「わたしのお気に入り」では、コルトレーン同様、ソプラノサックスが登場です。けっこう太い音で驚きました。
難曲「ジャイアントステップス」も、このトリオのかかればなんのその。楽々としかも音楽は白熱してきます。田川さんのベースは本当に音程がよくって聴いていて素晴らしく気持ちが良い。耳がそうとうにいいんでしょうね。うらやましい限りです。小笠原さんのテナーはパンチ力抜群。それでいて透明感のある音が出せるんですから、こりゃもう天才です。
ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」をオーケストラや吹奏楽と演奏する機会に恵まれたと小國さん。そこで、この曲に「セントルイス・ブルース」をくっつけて一つの曲にしたものを聴かせてくれました。最後にまた、「ラプソディ・イン・ブルー」が戻ってきて感動的に終わります。こりゃ昇天ものです。
アンコールは季節にちなんで「枯葉」です。そういえば、熱い演奏の数々の間のMCなどの時、外では盛大に虫の声が聞こえてきていました。気温も高い日でしたが、やっぱり秋は確実に来ていると思いましたね。トリオの「枯葉」は虫の声をぶっ飛ばして、超パワフルでした。
ジャズのインプロビゼーション(即興)には、とても憧れてしまいます。相手が出したフレーズに瞬時に答えるコール&レスポンスも凄かった。音楽が自由に駆け回り、奏者の思いが爆発するジャズという音楽、本当にすばらしいと思いました。店の外でお見送りしてくださったベースの田川さんとホーンの小笠原さんと握手させてもらい「絶対また来てください」とお願いしました。最高の時間をありがとう!
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