
夕方に再放送が毎日放映中。録画して少しづつ鑑賞中。
結論
大晦日の過ぎ超しの悲喜を描かせたら無双。倉本脚本の見事さに感動する。
概要・あらすじ
2025年8月11日にフジテレビ系列関東地区ローカルで、ドラマ「北の国から」地上波再放送が始まりました。長年、新しい世代に「北の国から」の魅力を伝えたいと願っていた私たち作品関係者としましては「地上波再放送」こそ、その大きな機会になると感じ、フジテレビ系の放送各局にお願いし続けてきた経緯があります。
もちろん、DVDやBlu-rayのパッケージ(商品)化や、有料放送や配信での高画質な放送もとても嬉しかったです。でも、例えば身近な富良野の住民の多くは、テレビは地上波が観られれば充分という方がほとんどで、「北の国から」の最初のシリーズに関しては、本当にはるか以前の再放送で観たのが最後、という方ばかり。
今回、関東ローカル、と云いますか、フジテレビ自身が地上波再放送に踏み切って頂き、願った通り各方面から、「初めて見た『北の国から』というドラマがものすごく面白かった」という声が届いています。もちろん「久しぶりに会った子供時代の純君螢ちゃんがたまらなく愛おしかった」という懐かしい再会を悦ぶ声もいっぱい頂きました。ネットより引用
五郎(田中邦衛)は川の水をパイプで小屋へ引いてくる工事に取り組んだ。だが12月の寒さでパイプのどこかが凍結してなかなかうまくいかない。それでも五郎は人の助けを借りずにやり遂げようと一生懸命だ。そんな五郎の姿が純(吉岡秀隆)と螢(中嶋朋子)の心を圧倒する。悪戦苦闘のかいがあって、大晦日についに小屋に水が引けた。感動のあまり、かけよって抱き合う五郎と子どもたち。反発しがちだった純の心に父への尊敬と信頼の気持ちが芽生えてくる…。
ネットより引用
感想
大晦日の喜び悲しみ、これを描かせたら倉本聰は天下無双です。第8話がまさにそれ。大晦日に家族が一緒に紅白歌合戦を見る。これが多くの国民の幸せの象徴だった時代です。
電気・水道のライフラインが不在の黒板家。灯りはランタンであり、水は家族みんなで川まで汲みに行くという生活です。五郎がまず取り組んだのが川から水を引いてくること。クマや中畑らの協力を受けながら塩ビパイプをつなぎますが、途中が「しばれ(凍結し)」て上手くいきません。
しかしついに凍結場所を発見し、水道が開通します。純と蛍の喜びが爆発し、五郎との心底喜びに満ちた抱擁のシーンが感動的です。その場に原田美枝子扮する涼子先生を置いているのが実にうまいですねえ。東京で傷ついて北海道に来た涼子が五郎たち家族の様子を見てだんだんに癒やされていくのです。

同時に涼子が五郎を変えていく。涼子は五郎が純に丁寧な少し他人行儀な言葉遣いすることを指摘します。五郎は自らを省みて、言葉遣いを変えていくことで純との間にあったうっすらした壁を打ち破ることを決意します。
五郎は正吉の祖父杵次(大友柳太朗)に「子どもに紅白を見せてやれ」と言われ、純を正吉の家まで送り、自分は中畑の家で紅白が終わるまで過ごそうします。純は大喜びで正吉の家に入ろうとしますが、正吉は帰省している母親に甘えている所を見て、家に入ることができません。

中畑の家に行った五郎も、家族団らんで紅白を見ている中に割り込んでいくことができずに車に戻ります。父子が場所を違えながらも、全く同じ切なさにさいなまれる。
多くの日本人がTVという文明の機器を前に幸せな団らんを楽しむことと対比的に、黒板家の人々はラストで自然のすばらしさを感じる幸せを味わいます。新鮮で清々しい大晦日の過ごし方が描かれて幕を閉じます。
大晦日の1日の中に喜びと切なさそしてまた幸せの喜びが詰め込まれた珠玉の1話になっていました。倉本脚本の見事さに感動しきりです。

何度観ても感動する。発見がある。名作とはそういうものですね。再放送よありがとう。

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