amazonプライムにて。もちろん過去に鑑賞していますが、見直してみると発見多く新たな感銘を受けます。「ナポレオン」鑑賞前の復習。
結論
抑圧された女性が解放されるエネルギーを感じる作品。スーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスの底抜けの明るさがまぶしい、極上のロードムービー。大オススメ!
概要・あらすじ
『テルマ&ルイーズ』(Thelma and Louise)は、1991年に公開された映画。監督はリドリー・スコット、脚本はカーリー・クーリ、主演はスーザン・サランドンとジーナ・デイヴィス。
第64回アカデミー賞において6部門にノミネートされ、脚本賞を受賞し、2016年にはアメリカ国立フィルム登録簿に追加された。
しばしば「90年代の女性版アメリカン・ニューシネマ」と評されており[2][3]、また、ブラッド・ピットの出世作としても知られる。
撮影のおよそ半分はユタ州モアブ市で、また映画の終盤で主役の2人が旅をするシーンはデッドホース・ポイント州立公園で敢行されている。
wikiより引用
アーカンソー州でウエイトレスとして働く中年の独身女性ルイーズは、親友で専業主婦のテルマと週末のドライブ旅行に出発する。途中のバーでテルマは泥酔し、店の客に駐車場でレイプされかける。助けに入ったルイーズは、テルマが護身用に持って来た銃で男を撃ち殺す。ルイーズには、レイプされ傷ついた過去があった。
テルマとルイーズはその場から車で逃走する。メキシコへの逃亡を計画し、ルイーズは恋人のジミーと連絡を取って逃走資金を借りる。警察は目撃情報からルイーズたちの身元を割り出し、州を越えて逃げる二人を追うために、FBIに協力を依頼する。
逃走中にもかかわらず、テルマはハンサムなヒッチハイカーのJ.D.に一目惚れし、車に乗せる。J.D.は、強盗で仮釈放中だとテルマに打ち明けて一夜をともにし、逃走資金を盗んで姿を消す。テルマは責任を感じ、J.D.の真似をして店に強盗に入り、金を作る。
逃走を続けるうちに、テルマとルイーズは人が変わったように大胆になっていく。スピード違反でパトカーに停められれば逆に警官の銃を奪い、タンクローリーのドライバーに卑猥に挑発されると、ガソリンが詰まったタンクを撃って爆発炎上させる。
同上
感想
雪だるま式に悪いことが重なって、にっちもさっちもいかなくなる映画にコーエン兄弟の「ファーゴ」があります。本作も同じように状況は悪くなる一方なのに、じめじめと暗くならないのは、二人の主人公のキャラクターによるものでしょう。
テルマは暴力的で抑圧的な夫のために息苦しい生活をしていたゆえに、ルイーズとの小旅行で自分をとことん開放していきます。
JDとの一夜で、本当のセックスの喜びを知ったと、うれしそうにルイーズに報告します。ルイーズも我がことのように喜びます。しかもダイナーでたくさんのお客がいる中で。
レイプされかけたテルマを救うために、相手の男を射殺していたルイーズですが、そんなことも忘れて一緒に喜ぶルイーズ。このふたりの底抜けの明るさが、映画全体をスカッとするさわやかさに導きます。
最後まで彼女は語りませんが、ルイーズはテキサスで自らもレイプされたようです。ですから、テキサスをどうしても通りたくないし、テルマを救うために射殺したことも、正義と考えているのかもしれません。
このように本作には、男尊女卑的な古いアメリカの体質が底流していることを感じさせてくれます。
警察をはじめ、男たちがこぞって彼女らを追跡してきますが、男たちを蹴散らし二人はグリーンのフォード・サンダーバードコンバチブルで飄々と逃げていきます。爽快!
下品極まりない石油トレイラーのドライバーに対しては、トレイラーを大爆発させます。痛快!
テルマに至っては、腹が座ってきて、JDから伝授された強盗法を実践。解き放たれた彼女は止まりません。人間って変われるんだ!
そんな痛快無比の明るい彼女らの旅をさらに彩るのは、アメリカの荒野の美しさ。特に夜に浮かび上がる奇岩や夕景は印象的です。これぞロードムービーの醍醐味です。
ついに追い詰められた彼女らが取った決断は悲しいものですが、悲壮感なくさっぱりしています。空に舞ったサンダーバードは遠景でとらえられますが、二人の笑顔が想像されます。一方追っての男どもの唖然とした呆けたようなまぬけ面も浮かんできます。
JD役のブラッド・ピットが世に知られるようになった作品です。ハンサムだが、下品で何も考えていない男を見事に演じています。
関東では劇場でのリバイバル上映もあるそうな。大画面でアメリカの大きさを感じたいですね。でも、アマゾンプライムでも十分楽しめますよ。ぜひ。大オススメの逸品です。
コメント