宮部みゆき著「かまいたち」読了しました。著者最初期の時代物4編を収録。後半の2編は一膳飯屋「姉妹屋」のお初を主人公とした中編だ。その後、霊験お初シリーズとして継続していく。中でも最終話「騒がしい刀」は妖刀の脇差し2本が対決する、ホラー系の名エンタティメントである。珍しく作者が所望した後書きがあり、「まだプロでなかった」ときの作品とのことわけがあるが、なんのなんの完成された名品であると思う。また、3編目「迷い鳩」では 名南町奉行根岸肥前守鎮衛を登場させ、彼の著者である「耳袋」の書名をお初が決めるという一説があり、実におもしろい。いうまでもなく「耳袋」は怪異談を集めたもの。「新耳袋」はこの書籍のリメイクだ。さて、次に読むべきは霊験お初シリーズの1作目「震える岩」かとも思ったが、一息置いて宮部時代物の「堪忍箱」にした。文庫分では薄い一冊だ。うーむ怖そうだ。
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