坂元裕二 脚本作品「片思い世界」若手3女優の美しさに魅了されつつ片思い世界の孤独に恐怖する

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samon
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「花束みたいな恋をした」の脚本と監督が再タッグを組んだ。「花束」は未見ですが、主役3女優に惹かれます。月曜の13:00の回は10人以上はいました。公開4日目。

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結論

映画館に行く理由。主演女優にあり。

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概要・あらすじ

「花束みたいな恋をした」の脚本・坂元裕二と監督・土井裕泰が再タッグを組み、広瀬すず、杉咲花、清原果耶の3人を主演に迎え、強い絆で結ばれた3人の女性が織りなす日常と究極の“片思い”を、オリジナル脚本で描きだす。

相楽美咲、片石優花、阿澄さくらの3人は、東京の片隅に建つ古い一軒家で一緒に暮らしている。それぞれ仕事、学校、アルバイトへ毎日出かけていき、帰ってきたら3人で一緒に晩ごはんを食べる。リビングでおしゃべりをして、同じ寝室で眠り、朝になったら一緒に歯磨きをする。家族でも同級生でもない彼女たちだったが、お互いのことを思いあいながら、楽しく気ままな3人だけの日々を過ごしている。もう12年、ある理由によって強い絆で結ばれてきた3人には、それぞれが抱える“片思い”があった……。

3人と同じ記憶を胸に秘める青年・高杉典真を横浜流星が演じ、小野花梨、伊島空、ロックバンド「moonriders」、田口トモロヲ、西田尚美が共演。

2025年製作/126分/G/日本
配給:東京テアトル、リトルモア
劇場公開日:2025年4月4日

ネットより引用

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感想

公開後時間が経っていない現在では、この映画の感想を書くのはとても難しいです。重要なネタバレをせずに話を進めることが難しいからです。

youtubeチャンネルの「銀幕にポップコーン」でもその問題に直面していましたが、後半ではもうネタバレして伸び伸びと語り合っていました。

本稿でもネタバレしますので、まだ映画をご覧出ない方はご注意ください。ちなみに受付でもらえたポストカードは「すずちゃん」でした。選べないようにひっくり返しておいてありました。すずちゃんの表情は不思議な色気に満ちていて、大人になったなあと思います。

本番を次の日に控えた子供の合唱団。明日はバタバタするので、記念写真の前撮りをしようと並び始めます。カメラのセルフタイマーが回って、シャッターが切れる瞬間にドアが開く音。全員がそちらを見た時にシャッターが下ります。皆がドアの方を見た記念写真に思わず笑ってしまいますが、後で誰が入ってきたのかを知った時ぞっとしてしまう。そんなプロローグです。

合唱団で一緒だった3人の女の子は成長し、なぜか一緒に暮らしています。杉咲花は大学に通っていますが、キャンパスで学生にぶつかられて転んでしまう。ぶつかった相手は謝りもしない。

広瀬すずと清原果耶は勤めていて、バスに乗り遅れそう。追いついたけれどドアは閉められ、運転手は開けてくれません。同じく遅れてきた横浜流星が「乗ります」と声をかけるとドアが開けられ、一緒に乗ることが出来ました。

何この無視されぶりは・・・と若干いぶかしく思うものの、決定的な種明かしはピアノのコンサート場面です。何とコンサートの最中に、広瀬と清原は舞台に上がって中央で座り込んで文句を言うのです。これは彼女らが完全に他の人から見えていないことを示します。そう、彼女らは合唱団の練習に突然入ってきた中学生に3人とも殺されてしまっていたというわけ。

その悪夢の始まりの瞬間である記念写真を部屋に飾っているのは、それしかないからということでしょうが、ちと異常には感じてしまいます。

3人がパジャマでポップコーンをほおばりながらホラー映画を見るシーンがあります。いわば幽霊である3人が幽霊の映画を見てキャーキャー怖がるおもしろさがあります。杉咲だったと思いますが、映画の幽霊を憐れむような発言をします。映画の幽霊の恨み、孤独に比して自分たち3人は幸福だ的な。

杉咲は大学で素粒子の講義を受けていて、人の死について一つの仮説をもっています。人は死ぬと別のレイヤーに移動するというもの。移動したレイヤーで普通に生活し、食事をし、成長していく。しかし他のレイヤーの人からは見えない。

そうやって死者が別のレイヤーに移動して、いわゆる生きた人のレイヤーだけが見えるとすると、たいてい人は一人で死んでいくので、たった一人のレイヤーということになります。自分からは生者の世界は見えるが、生者からは気づいてもらえない。なおかつ、自分のレイヤーには自分しかいない。

人は超社会的な生き物ですから、誰とも交流できないことはとんでもない恐怖です。生きていけません。いや生きていないんですけどね。

彼女らが聴くラジオ番組がまた気になるところです。DJの声は初めに聞いたときは、リリー・フランキーかなと思いましたが、クレジットでは松田龍平です。「カルテット」や「大豆田・・・」のいわば坂元組といっていいでしょう。

このDJは死者のレイヤーから生者のレイヤーに戻れたと語ります。その方法が自分の思いを誰かに告げ、決まった時刻に決まった灯台から「飛ぶ」というもの。とんでもない条件ですが、3人はこれを信じて実行しようとします。

明け方の海岸と灯台は映画的に非常に美しく、これが映画の良さだよねと思ってしまいます。で、灯台の上から「飛ぶ」のですが、物理的に飛ぶのでなく、3人で手をつないで「飛べ-」と叫ぶだけだったのでちょっと肩すかしでした。

直後漁師風の男が3人に「どっからきたのー」と声をかけるので、おお生者の世界に戻ったのかと一瞬思わせるところはうまいですね。

それにしてもDJなんだったんだよ-の感は否めません。その他殺人者の扱いも雑だし突っ込みどころはいっぱいですが、大好きな3女優の共演ですべては許せてしまいます。

主演級3人のそれぞれの物語・思いを十分に描くにはちょっと尺が足らなかったのだろうと思われます。

エンディングの合唱シーンは感動できます。曲がいいなあ。児童合唱のヒット曲になる予感がしますね。

samon
samon

3人の女優の共演が本当にうれしい作品でした。誰か一人だけの主演映画だったら行かなかったかも。こういうオールスター映画大歓迎ですね。

コメント

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